宮城県鳴子温泉にある、実家に家族と住んでいます。
ずっと、ここで暮らしている兄弟や親せきもいますが、
密かにボクは夢を持っています。
東京にでたい。
いつの日か立派になって、故郷に錦を飾りたい。
ある日、僕は家を出る決心をしました。
宮城県鳴子温泉にある、実家に家族と住んでいます。
ずっと、ここで暮らしている兄弟や親せきもいますが、
密かにボクは夢を持っています。
東京にでたい。
いつの日か立派になって、故郷に錦を飾りたい。
ある日、僕は家を出る決心をしました。
後ろで手を振り続ける母の、まるで涙雨のようで
ボクは最後まで、振り返ることができませんでした。
気持ちよくて、なんだか生まれ変われそうな気がします。
実はボクには都会に出て成功した、おじさんがいます。
そのおじさんが仕事でこのホテルに来ていると聞き、
訪ねたのです。
やさしいおじさんは、ボクを宴会の席に呼んでくれました。
華やかな席に調子に乗ったボクは飲みすぎてしまいました。
すると、さっきまで酔っぱらっていたおじさんが、
急にボクをどやしつけました。
「おまえは、こんなところで調子に乗ってどうする!」
そんなおじさんを見たのは初めてです。
「俺はここを出てから、3年マイクの修行をしたんだ!」
初めて聞く話です。
「おまえも3年マイクをやってから、
やっとスタートラインに立てると思えっ!」
ふとボクは、宮城の歌人、小池光の歌を思い出しました。
バルサの木ゆふべに抱きて帰らむに
見知らぬ色の空におびえる