いやいやいや、めっちゃ久しぶりの更新だし。
実はプラベでソチ五輪に行ったりしてたんだけど、雑誌コラムで色々書いたりしてたらこちらには書きそびれたりして、いやはや。今更だけどまた別の機会にまとめる・・・かも(今更?)。
ところで旧正月に観た映画の事もすっとばして『西遊記之大鬧天宮』一本で終わってたので、その時のものも含め蔵出ししときます。
いやあのね、めっちゃよかったよ、成龍最新作。実は先月に試写を観たのだけど感激しましたよ。
監督は『ラスト・ソルジャー』の丁晟(ディン・シェン)。成龍ファンにはあまり評判はよくないのかもしれないけど、私この映画大好きで。丁寧に撮る監督だなぁと思ってたらまたいい作品を作ってくれて嬉しいです。
ポスターにある写真、銃を自分のこめかみに当てるのがファーストショットでね、観てるこっちは「え?なんで?どうして?」と思うところから始まるわけですよ。上手いなぁ。
なんとなく『ラスト・ソルジャー』の時も思ったんですが、この監督成龍の事すごく上手に使える数少ない人のような気がするんですよね、相性がいいと言うか。そういうコンビネーションがいい化学反応になってるような気がするんです。今後ももし組むことがあったらめっちゃ期待するな~。
共演は最近観る機会が多い景甜(ジン・ティエン)。ドニーさんの『特殊身分』ではちょっと無理がなかったわけでもない公安警察という役でしたが、こちらは成龍の娘という無理のなさ。こういう方が似合ってますね彼女。
そうだ、本格的アクションは前作の『ライジング・ドラゴン』で終わり、みたいなこと言ってたでしょ?いやいやいや、ここでもしっかりアクションありますよ!しかもあの成龍が関節決めちゃったりなんかしちゃってるし!アクション監督は成家班出身、ヘ・ジュン。
とにかくねクオリティ高いです、谷垣健治さんと同じ回の試写を観たんですがCGを絶賛してました。終了後谷垣さんのパソコンに入ってたCGメイキング画像を見せてもらったら、あれもこれもCGだった。びっくり!!!
「すごいですね~、この映画CGずば抜けてますね、なんでですかね」と言ったら「多分ジャッキーがよく勉強してるんじゃないかなぁ」という答え。・・・・ああ、あり得そう。あくなき探究心、それが彼の最大の武器ですね。
見応えあります、是非劇場でご覧ください!
公開は6月6日から全国ロードショー。
公式サイト
・賭城風雲 (2014年・香港)
動作設計
李忠志(二ッキー・リー)
プロデューサー
劉偉強(何でも自分の映画に「風雲」をつけたがるアンドリュー・ラウ)
王雅琳
出演
周潤發 (チョウ・ユンファ)
謝霆鋒 (ニコラス・ツェー)
童菲 (キミー・トン)
杜豎カ澤 (チャップマン・トウ)
高虎(ガオ・フー)
張晉 (マックス・チョン)
景甜(ジン・ティエン)
許紹雄 (ホイ・シウホン)
伍允龍(フィリップ・ン)
呉辰君 (アニー・ウー)
チョウ・ユンファ、ひっさびさのゴッド・ギャンブラー最新作。しかも監督は王晶ですよ奥さん。共演はニコラス・ツェー、実は旧正月に観た映画で一番面白かったのもコレ、ヒットするわけだ。
とはいえ、続編ってわけでもないです。新たなキャラ新たな舞台設定、新たなキャスト。でもやはりワクワクさせてくれるし、細かいネタもうふふ。そういえばユンファの現代劇は久々ではないですかね。カッコいいわ~。大いに笑いました、バカバカしくていい。ゲロ度は20%。しかも女子(笑)。
ニコラスのアクションもよかったなぁ。相手は『グランド・マスター』の馬三ことマックス・チョンでした。老けメイクじゃないとこういうお顔でしたのね。
でも私のツボは『ラスト・シャンハイ』でユンファの右腕役だったガオ・フーだ。なんかこの人印象に残らなさそうだけど残るんですよね、不思議。
カードさばきがほとんどCGで、なんとなく昔の方が衝撃は強かったよなぁ、などとしみじみしてしまったのは年のせいか。
とはいえ、やはりユンファですよユンファ。あんなユンファもこんなユンファも素敵すぎる。もうずっと香港で仕事してください。
に、しても景甜ちゃんはスン・ホンレイ、ドニー・イェン、ジャッキー・チェン、チョウ・ユンファにニコラス・ツェーと共演か・・・・すごいな。
監督
鄒凱光(マット・チョウ)
プロデューサー
呉君如(サンドラ・ン)
出演
呉君如 (サンドラ・ン)
張家輝(ニック・チョン)
古天樂 (ルイス・クー)
陳奕迅(イーソン・チャン)
梁家輝 (レオン・カーフェイ)
甄子丹 (ドニー・イェン)
黄秋生 (アンソニー・ウォン)
黄子華 (ウォン・ジーワー)
余文樂 (ショーン・ユー)
杜德偉 (アレックス・トー)
鄭中基 (ロナルド・チェン)
蘇永康 (ウィリアム・ソー)
杜豎カ澤 (チャップマン・トウ)
黄偉文 (ウォン・ワイマン)
盧海鵬(ロー・ホイパン)
錢嘉樂 (チン・ガーロッ)
張敬軒 (ヒンズ・チャン)
張兆輝 (チョン・シウファイ)
詹瑞文 (ジム・ソイマン)
王闖之(イヴァナ・ウォン)
今年の旧正月、香港映画で一番ヒットを飛ばした作品。上映館や回数も一番多かった。しかも時間ぎりぎりに劇場に掛け込んだらよもやのIMAXだったという(笑)。同時期に観た『西遊記之大鬧天宮』のIMAX上映が非常に少なかったのですっかり油断しておりましたわ。
自分、普段劇場では前の方の席で観ることが多く、そのたびに香港の窓口のおねーさんから「ほんとにこの席でいいの(この日本人わかってんのかしら)?」と聞かれることが多いんですが、さすがに「本当にこの席でいいの?」って場所でした。買う時にもっとしつこく聞いてくれれば・・・クッ。
なにが辛いって、ただでさえ中文英字の字幕を追いつつ画面を観るのが難儀な上に、IMAXで前方だと字幕を読んでると全く絵を観ることができない。ので、途中から字幕はあきらめました。
前半は直接的な下ネタが多く、香港コメディに不慣れだとばかり思っておりましたが、そういうわけじゃなく多分お下劣すぎるのがアカンかったんだ、とこの映画を観ながら再認識できました。特に日本に行ってからある「必殺技」(『低俗喜劇』参照)の修練に励むところとかマイリマシタデゴザル、降参。
そのシーンになるや否やいきなり席を立つグループがいたので、ぼんやり眺めていたらなんと小学生の女子2人を含む親子連れ。ひ~。
多分ここまでのスケベネタとは思わずに来ちゃったか、それとももう一本の正月映画『六福喜事』(こっちにもサンドラは出演)と間違えて入っちゃったか。いずれにしても、ものすごーくお気の毒です。しかも連れて来たのは父親かよ!ああああ、わざわざスクリーン横切って出ようとしてるけど、そこは出口じゃなく非常口だよ、お父さん、・・・ほら案の定また戻る羽目になっちゃった・・・と、その引率のお父さんの動揺が手に取るように分るだけに居たたまれない気持ちになってしまったのでした。とほほ。
が、映画の方は、その親子が退場した後ニック・チョンの登場でグッと面白くなりました。さすが影帝。
彼は長い間刑務所に入っていて出所したばかり。入所前は主人公の阿金(サンドラ・ン)とそこそこいい仲でした。この彼がスマホにとまどい、変わり果てた香港にとまどうわけですね。「すべて変わっていくのよ」と阿金や舎弟のイーソン・チャンに言われる姿が切なくってねぇ。なんとも情けないヤクザなニック・チョンが最高でした。
さて、旧正月映画と言うと豪華なカメオ出演も見どころ。ルイス・クーのそっくりさんの役で本人ルイス・クーが出てきたり、レオン・カーフェイがゲバラのTシャツ着てたり、ショーン・ユーがフェチ持ちオタクな役だったり。我らがドニーさんも『グランド・マスター』葉問で登場。
「葉師傅、最近お見限りね」と阿金に呼びとめられて(当然民国風場面)「10人とヤリたくないの?」と言われたところへ「我要打十個」と返し「なによ~金楼に来るの好きだったくせに~、映画にもなってるわよ!」と逆キレした彼女を詠春拳で威嚇して「それは『宗師』の方で、妻を愛するのが『葉問』だ」と一言(全部多分)。ま、そんな感じでござんした。
ちなみに下ネタだけでなくゲロ度も高かった。ゲロ度80%。
・ 惡戰(2014年・香港)
↑なぜアクション監督まで堂々とポスターに載ってるかは謎
監督
黄精甫(ウォン・ジンポー)
動作設計
袁和平(ユエン・ウーピン)
袁祥仁(ユエン・チョンヤン)
プロデューサー
王晶(ウォン・ジン)
劉偉強(アンドリュー・ラウ)
王雅琳
出演
伍允龍 (フィリップ・ン)
安志杰(アンディ・オン)
洪金寶 (サモ・ハン・キンポー)
阡」迺翠 (ジャン・ルーシャー)
陳觀泰 (チェン・クアンタイ)
胡然 (ミッシェル・フー)
毛俊傑(マオ・ ジュンジェ)
袁祥仁 (ユエン・チョンヤン)
馮克安(フォン・ハックオン)
アンディとフィリップのガチ主演作ということで、すんごく楽しみにしていました。しかも元ネタはあのショウブラの傑作『上海ドラゴン英雄拳(原題:馬永貞)』だし。
結論からいいますね、ショウブラファンは馬永貞を忘れて観た方がいい、てかそうしなさい。アンディ・オンとフィリップ・ンのファンは歓喜していい。で、さすがの自分も分るぞ、これはブロマンスを超えてますよ、ね?ね?
ではひとつづつ解説させていただくと、ショウブラファンの皆様には哀しいお知らせです。
これは馬永貞のリメイクとありますが、そうではありません。かつて金城武くん主演で「まったく別物の馬永貞」が作られたことがありますが(ユン・ピョウがカッコよかったから無問題)、これはそれを遥かに凌駕しています。なんといっても馬永貞が陳真(チェン・ジェン、『ドラゴン怒りの鉄拳』の主人公、しかもブルース・リーではなくドニー・イェン版TVドラマの方)だからです。そしてどっちかというとアンディ・オン演じた七龍のほうが馬永貞っぽい。百歩譲って言えば2人あわせて「馬永貞」なのかな。そもそも黒社会の人間が主役なんて許さん、という大陸で上映しようってのに黒社会でのし上がるのが魅力の馬永貞は無理があったのじゃ・・・。
が、しかーし、この映画、2人の主演俳優、フィリップとアンディのPVと考えれば一転してとっても素敵です。
映画におけるこの2人の扱いを常々不憫に思うファンの皆様には是非ともこの映画をご覧になって日頃のうっぷんを晴らして頂きたい、うっとりするようなPVでございます。
フィリップファンに対しては、馬永貞というよりむしろブルース・リーへのオマージュたっぷりですと申し上げましょう。あんな設定とかラストシーンとか『ドラゴン危機一発』だろ。
アンディファンに対しては、どんな役をやっても爽やかなアンディをお楽しみくださいとお伝えします。このナイスガイは本当に目眩がしそうなくらいいつも爽やか。女性とベットインしようが卑怯な手を使おうが全然やらしくない。それが俳優としてどうなのかは置いといて、彼のそんなチャームは十分発揮されてるし、なんといっても散り際がいい。
過去何度も映画で死んでいますが「困った時のアンディ」という言葉が示す通りなかなかいい散り際も与えてくれなかったりして不憫さに拍車がかかる始末。ですから余計この最期はとっても有難かった。勿体なくないアンディ、待ってました。
アクションはこの2人ですから安心印。ただちょっとウーピン先生、スローモーション少々多め?『グランド・マスター』はカーウァイ監督の趣味かと思っておりましたが案外ウーピンさんの好みだったか。
そんななか残念だったことはただひとつ。
オリジナルの主演だったチェン・クアンタイさん、せっかく出してるならもう少し印象的なカットを撮るか、撮ったならそこを使って欲しかった。リスペクトととしてオファーしたならちゃんとしようよ、そこは。