女子会 in Cristmas 2014

クリスマスイブに女子会。上は私の母、82歳。年齢も職種もバラバラ。女6人揃って飲めや歌えや(いや歌ってないし)。

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この人数分の料理は大変だから火を入れたのはチキンローストのみ。中身はお米じゃなくハーブとオリーブオイルに浸したパン、どうせ誰も中身は食べないしね。あと手を入れたのは野菜と豆のサラダくらい。おお、母が箸安めにと冷たいパンプキンスープを作ってきてくれました。

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ゲストでいらした母のお友達のご近所にはロシア在外公館があり、そのロシア公館との日常生活の攻防のやり取りがおもしろいのなんのって。みんなでお腹抱えて笑いました。コラムや小説のネタにしたいけど・・・多分、無理。

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全世界の琥珀の産出量のうちロシアが80パーを占めるらしい。そして日本共産党はいまでもロシアととっても仲がいいようです。

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ゾンビ・ファイト・クラブ(屍城:2014年・台湾・香港)

テレンス・インのファンはこれを観て感涙にむせぶがいい!!

監督:錢人豪(ジョー・チェン)
制作:ゴードン・チャン
   アルビン・チョウ
   アレックス・トン
   黄柏高(パコ・ウォン)
動作設計:フリップ・ン
出演:アンディ・オン
    ジェシカ・C
    フィリップ・ン
    マイケル・ウォン
    テレンス・イン
    袁嘉敏
    デレク・ツァン

『一個人的武林』を観に行った際に香港で『屍城』も観ました。アンディ・オンだしね応援してるしね、フィリップ・ンも出てるしね!でももう終了間際で日に一回だけ上映してるとこを捜して行ってきましたよ。

この映画、何が一番興奮したってアンディ・オンがトップクレジットだったこと。とうとうキター!と心拍数がぐっと上がったものの、ふたを開ければ群像劇でやんした。ぐすん。マイケル・ウォンは相変わらずゲスいぞ!

英題『Zombie Fight Club』が示す通りこれはゾンビ映画なわけですが、普段ゾンビ映画をまったく見ないので悲しい事に比較する術がない、とほほ。感想としてはさしたる理由もなくさっさと世界中ゾンビになったのには非常に好感を持ったのですが、気がつけば女囚モノになってしまい「あらら」と思ってるうちに『グラディエーター』に。まぁアンディかっこいい~ということで。

やたら半裸のお姉さんお兄さんが華やかかつ血だらけで登場。

アパート中がゾンビになる過程で数組のカップルが登場するのですが、そのうちの一組の男(雪ちゃんことラム・シューの耳を削いだりする悪いヤツ)のことをずっと誰だろう誰だろうと思っていたら、途中で気がつきました。テレンス・イン!

実は彼の映画に関してもそれほど多くは観ていないので、これまた比較しにくいのですが、少なくとも自分の観た3作(フィルモグラフィーを確認すると本当はもっとたくさん観てるらしいけど実は記憶にない)のなかではダントツにいい役です。F○○K、FU○○、連呼しつつも造型がかっこいいし、恋人に対する愛情もちゃんと表現できたいい役で最期もよろしかったよ。日本でテレンス・インファンの実数がどのくらいいるのか想像もつきませんが、あなたが彼のファンなら何をおいても絶対に観るべし。

あ、フィリップさんは超友情出演みたいな感じの登場でした。動作設計だったしね。アクションはありますよ、しかもアンディとのタイマンです。

それぞれのファンには楽しめるでしょう。特にアンディに関してはまんま『ザ・レイド』な特殊部隊の制服姿に悶絶してください。

そのあとの美女にいたぶられるのもおつなものかも。

に、してもあのピーピーケトルが何の伏線でもなかった事には一番驚きです。てっきり『マーズ・アタック!』みたいなことになるのかと待ってたっちゅーねん。

《屍城》Zombie Fight Club 電影官方預告片 10月活屍競技場

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もうすぐクリスマスなんすよ:2

なんか30年前のバブルなBarでこんな感じの店、絶対にあったよな・・・このクリスマスの飾りを出すとそのたびに同じことを思って苦笑する

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昨日、テリトリー内の花屋さんですんごく安いオーナメントを置いてあるのを見つけてさっそく購入。これ全部で2000円ちょい。ひょっとしたらIKEAとかよりお安いと思う

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大友啓史監督&谷垣健治アクション監督、大友監督&大石学教授トークショー

朝から晩までるろ剣耐久レースみたいな京都ヒストリカ国際映画祭最終日。3本一挙上映のあとは、大友啓史監督と谷垣健治さんのトークショー、そして大友監督と大友作品の時代考証を担当された東京学芸大学の大石学教授とのトークショーの2本立て。
もとは大友谷垣第1部だけの予定でしたが、大友監督から「次もやってよ!」というお言葉を頂き、2部も急慮することになりました。10時20分から上映が始まり、全て終わったのは21時30分、あの場にいらした皆さま、本当にお疲れ様でございました。

1部は、谷垣さんのアクション部が演じるアクションビデオコンテのたたき台みたいな原型の動画や、採用されなかった『京都大火編』の沢下条張と剣心との戦いのアイディアも披露されました。
この張と剣心を想定したスタントマンの動画は、誘拐した赤子を張がタスキで身に付けていたらどうだろうというコンセプトで作られたもので、会場は爆笑の渦。だって胸に抱いた赤子が(しかもそれが熊ちゃんのぬいぐるみだったりする)地面を転がる度に下敷になってるし。

そこに大友監督が一言「だめだね」と絶妙のタイミングで反応するのでまた爆笑。谷垣さん曰く「でも、これを俺たちは大真面目にやってるわけですよ」で「こういう試行錯誤を繰り返してアクションは作られるわけです」

今回お話をうかがっていて今更ながらやっと分ったのが、「日本のワンチャイを作ろう」と大友さんがおっしゃった意味。恥ずかしながら最初その言葉を聞いた時アホな自分はアクションのことしか思い浮かばなかったのであります。だからイメージとしてはワイヤーアクションの多い動きを想像してしまったのですよね。
で、本編を観たらああいうアクションになっていたので「よかった!」としみじみ感じたのですが、監督のおっしゃる「ワンチャイ」とはアクションの事ではなかったわけで。

中国の清朝末期、中国における革命前夜を描いたジェット・リーの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』シリーズは、時代や社会の劇的な変化にとまどいながらも正義を全うする武術家、黄飛鴻(ウォン・フェイホン)をはじめ、旧体制を守ろうとする官僚や、革命のため命を懸ける男達、その激流に飲み込まれてしまった武術家の姿、どんな時代であってもたくましく生きようとする人々の物語でありました。監督の言うワンチャイにしようというのはアクションではなく、映画のテーマのことだったわけです。(追記:しかもそれをワンチャイのように一級のエンタテイメントに仕上げてみせるという決意の言葉でもある)あああああああボンクラにもほどがある、自分!

同時に「日本だけでなく世界に発信できる作品を作りたかった」という言葉が印象に残りました。

お2人を前にしてお話をうかがえて良かったです。谷垣さんから制作話を聞いて出来上がった作品を観てその化学反応の凄まじさは感じていましたが、実際に並んだ2人の話を聞いてこの組み合わせこそ運命みたいな出会いだったのだろうな、と。

谷垣さんは今までも日本で「アクション映画を作ろう!」と情熱を持った人達と組んできたはずですが、正直あのエネルギーに見合うだけのプロデューサー、監督や作品には巡り合っていなかったのかもしれません。アクションを作るには想像以上の時間やお金、覚悟が必要なのだと想像すれば「よくあるんですが、気がつけば監督じゃなく、アクション監督が“アクションを作ろう”と言いだしたみたいな空気になってることがあって、そうなるとキツイんですよねぇ」と、あそこでおっしゃった言葉には谷垣さんだけでなくひろくアクション関係者の直面する苦労が垣間見えた気がしました。

第2部の大石教授とのトークは先生がめっちゃ詳しいレジュメを書いて来てくださり、それをヒストリカの運営が観客全員にコピーして配布したというファインプレー。素晴らしい。

「時代考証」とはよく目にする言葉ですが、実際どんなことをするお仕事かよく知りません。
関わり方は作品や相手の投げかけ、つまり熱意によって濃淡があるようですが、こと『龍馬伝』から続くるろ剣については相当深く協力されたそうで、たとえば京都の古地図から映画の舞台になった場所など映画用の地図を作成したり、アフレコで入れるモブシーンのガヤなど現代言葉では通用しないために一言づつ考えたり、また『京都大火編』の冒頭、舞台でかかる剣心をモデルにした芝居のアイディアを出し、その主人公の名を「抜刀斎」ならぬ「抜九斎」として十字の傷でなく九の字と提案したのも先生だったそうです。へえええ、まさにそのお仕事は想像以上!

2本とも結構な分量だったと思いますがあっという間の時間でした。司会というより一ファンとして楽しかった。こういう機会を作ってくださったヒストリカ映画祭には心から感謝申し上げます。

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もうすぐクリスマスなんすよ

で気の早い人は12月頭からすぐにクリスマスツリーとか飾っちゃうわけで

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昔、偽造拳銃とか、大きさを何かと比較する際にハイライトやセブンスターという煙草を横に置いた写真がニュースや新聞に掲載されていたことがありました。それと同じ要領で我が家の主、小梅さまとの画像でございます

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まだまだ続く京都ヒストリカ国際映画祭。最後はとっても谷垣健治祭り

さて終盤に入った京都ヒストリカ国際映画祭ですが、この週末は実質谷垣健治祭りでございます。

まずはこちらのスケジュールの12月13日と14日をご覧ください。
京都ヒストリカ国際映画祭スケジュール

13日の上映作品のあとに「上映終了後ミニトークあり」とあるでしょ?これ全部谷垣健治さんの生トークでやんすよ!しかも上映作品はすべて谷垣さんがセレクトしたもの。凄くないですか???

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1925年制作の『キートンのセブンチャンス』はあのバスター・キートンの映画。香港アクションファンなら成龍がキートンに影響を受けていることはご存知ですよね!

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1980年の日本映画からは『忍者武芸帖 百地三太夫』。かつても日本では素晴らしいカラテ映画やアクション映画は作られておりイカシたアクションスターが一杯いたんです。千葉真一さん、倉田保昭さん、志穂美悦子さん、そしてこの真田広之さん。今となっては真田さんがアクションスターだった事を知らない人も多いのかもしれません。いやいやいやすんごい人気だったんですから!その真田さん、20歳の主演作品、谷垣さんが何を喋るのか楽しみですね。

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続いてるろ剣のキャストにも参考に見せたという勝新太郎さんの『座頭市 血煙り街道』(1967年)名匠三隅研次監督作です。きっと谷垣さんがるろ剣で参考にした動きやコンセプト、勝新さんの居合の速さの秘訣などを語ってくれるに違いありません。

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そして1994年の成龍『酔拳2』。先日発売された雑誌『BRUTUS』にて同じアクション監督の大内貴仁さんと一緒に選んだ「アクションシーンベスト3」で堂々1位に輝いた傑作。絶対にその1位の理由をミニトークで披露してくれるはず。

で、翌日の14日日曜は同じ京都文化博物館で朝10:20より『るろうに剣心』三部作一挙上映!

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そのうえ上映後にトークショー第1部として大友啓史監督そして谷垣健治アクション監督というゴールデンコンビが登壇し、しかも80分というボリュームで行います。ええと、それには私、飯星も微力ながらお手伝いさせていただく予定。

で第2部では、大友監督とTV映画を含め監督作品の時代考証として影でずっと支えていらした東京学芸大学教授の大石学さんとのトークショー70分へと雪崩込みます。

世間には色んな映画祭がありますが、観客の体力気力をこれほどギリギリ極限まで試そうとする企画はそうそうありません。しかもるろ剣2と3ソフトが発売直前という「もう一度観たいと思ってたのよ!」とファンが身悶えるタイミング、どこまでドSなんだヒストリカ。
どうでしょう、この耐久レース(別名:谷垣祭り2014)にあなたもふるって参加してみませんか?

第6回京都ヒストリカ国際映画祭公式サイト
スケジュール

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11月3日旺角

11月のはじめ、香港に行った際に雨傘運動のオキュパイ飛び地旺角(モンコック)に行きました。
雨傘運動が始まってからストリーミングをはじめネットでしょちゅう経過を見ていました。そこでモンコックにある豪華戯院という映画館で映画をみたのですが、その前後の時間、アーガイルストリートとネイザンストリートの占拠現場を中心に周辺を歩きまわりました。

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ここは他のオキュパイ地、金鐘(アドミラリティ、オフィス街)や銅鑼灣(コーズウェイベイ、香港島の繁華街)とは違った空気を持つ地域で、数々の犯罪映画の舞台にもなった場所なので雰囲気はご存知でしょう。『ワンナイト・イン・モンコック 旺角黒夜』というタイトルのイー・トンシン監督作もあります。
大陸客向けの貴金属店や大型チェーン店舗の並ぶ通りから一本離れると露天や小さな店舗がひしめきあいその上層は沢山の人が暮らすアパートになっている。大陸よりの愛国者(や、大陸からのサクラ、金で雇われたチンピラ衆も含む)や地元住民と自由選挙を求める人たちとの軋轢が一番激しいのもこの地区です。

私の訪れた日は何事もなく沢山の観光客が写真を撮り、特に人気だったのは皮肉たっぷりの国家主席のスタンド看板との記念撮影。昼間は観光客以外あまり人はおらず、夜になって学校や仕事を終えた人達がここに戻ってくるという感じでした。

この占拠で路線ルートを変更せざるを得ないと民間バス会社が起こした提訴への判決を受け、高等裁判所が立ち退き命令を出しその執行が11月25,26日に行われました。
本来これは刑事事件ではないし民事裁判なのですが、当然政治に利用され、バス会社の代理人かのように警官隊が撤去に介入、夜になってまたしても武装した警察が無抵抗の市民や取材記者に催涙スプレーや催涙噴射機(!)で無差別に攻撃。このモンコックの占領区撤去の2日間で150人近くを逮捕。
そして昨日12月11日午後、金鐘占領区が同じように裁判所の占領禁止令により撤去。金鐘だけで209人にもおよぶ逮捕者を出しました。※これもまたなんら暴力的に抵抗した人々ではなく、代表者や、香港のマスコミ蘋果日報の社長、歌手デニース・ホー(何韻詩) さんなどを含む座り込んでいた市民、みな粛々と連行されてゆきました

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モンコックでデモ隊の一人である青年とほんの少し話す機会があったのですが(とはいえかなり怪しい英語と筆談)日本から来たというと「支持してくれてありがとう」と言われ、「香港映画が好きで映画の中の刑事とかPTUとか素敵だと思ってたからショックだ」と言ったら、いかに警察が無抵抗な市民を痛めつけているかを話し自分の傷を見せてくれました。香港の人にとっては身近な存在としての警察官だった記憶があるはず。この事実に一番傷つきより一層将来に恐怖を抱いたのは他ならぬ多くの香港の人達なのです。

運動がはじまったばかりのまだ暑かった時、掲げられたバナーの言葉に思わず涙したことがあります。

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「私のために両親は泣き、私は将来のために泣く」

日本の記事では「デモ収束」という言葉が使われていますが、彼らはまだ諦めてはいません。

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モンコックの彼は私に言いました「日本では自由に選挙できるんでしょう?」

12月14日は私たちの日本で衆議院選挙が行われます。いつも投票していますが、今回も必ず投票します。絶対に白紙なんかでは出しません。

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スペシャルID 特殊身分 日本公開決定 試写に行きました - ドニー・イェン 甄子丹

特殊身分の日本公開が決まりました。よかったよかった。

2015年の2月21日、新宿武蔵野館。全国順次公開なのでたくさんの地域で見られることを願います。

昨日、試写に行ってきました。日本語字幕だー!あらためて字幕付きで観ると、新鮮です。90年代の香港映画をよく観てる方なら懐かしいテイストがあるんじゃないでしょうか。
香港で観た初見レビューはこちら

試写で配られるマスコミ用プレスシートに『ドニー・イェンの、世界をリードするリアル・アクションの魅力』と題して寄稿いたしました。アクション監督としての彼の特徴みたいなことです。このプレスシートは宣伝をしているフリーマン・オフィスの筒井さんが作ったのですが、スタッフ・キャスト表の名前はきちんとカタカナ中国語英字の3種類で表記され、当然売りの一つ「るろ剣スタッフ」でもある日本人スタントマン達の名も載っているという丁寧な仕事ぶり、さすがです。公開時にパンフを作るのかどうかは分りませんが、もし作るならこれくらい丁寧に作ってもらえるといいなぁ。
※パンフ、作ってくれました。一部700円。プレスに書いた自分のコラムも載せていただいております。よかったらご覧ください。

スペシャルID 特殊身分公式サイト
スペシャルID 特殊身分公式facebook

【Eng.sub】SPECIAL ID Official Trailer Donnie Yen 2013 HQ

日本版予告 『スペシャルID 特殊身分』
↑以前私が『ドラッグ・ウォー 毒戦』の予告に似てるなぁと書いた大陸版の予告をほんのちょっぴり編集してある。さてどこを編集したかわかりますか?

バクサカ関連テキスト
特殊身分 予告篇 ― ドニー・イェン 甄子丹
2013年10月18日『特殊身分』公開決定-ドニー・イェン 甄子丹
続々予告登場『特殊身分』 -ドニー・イェン 甄子丹
特殊身分(特殊身份):SPECIAL ID 2013年・中国)@香港 – ドニー・イェン 甄子丹
・・・と、言ってるそばから特殊身分(特殊身份)
特殊身分・西遊記之大鬧天宮-ドニー・イェン 甄子丹
特殊身分(特殊身份)香港版が届いた。ネタバレ- ドニー・イェン 甄子丹
スペシャルID 特殊身分 初日舞台挨拶@新宿武蔵野館

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『悪戦』ウォン・ジンポー監督トークショー その2

香港や中国大陸の映画人とお目にかかる時、私はかならずノートとペンを持って行きます。と、いうのも、映画のタイトルや人名など頑張って発音してみたところで自分程度じゃ絶対に通じないし(それは香港の映画館で経験済み)、俳優も英語名で言って分ってもらえるのはジャッキー・チェン程度(それも香港のみで大陸だとジャッキーですらアウト。ほとんど中国語読みでないと通じない)。そこで面倒だから字にしてみる。それでも分んなきゃ絵も描いてみる。昨年、徐皓峰(シュー・ハオフォン)監督とお話した際も『子連れ狼』を絵にしてみてやっと理解し合えたという。
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元から漢字をあまり書けない自分はパソコン導入とともにマジ酷い有様。しかし、ジンポー監督はものすごく字がきれいな上に漢字をとてもよくご存知で本当に助かりました。香港人って書くのが上手じゃないっていう乱暴な認識があったのですが、この人は違いましたよ。

聞けばお父様は墓石に字を彫るお仕事をしていらして、子供のころから習字を厳しくさせられたのだとか。練習する文字は「劉備」とか「張飛」とか「關雲祥」といった三国演義の登場人物の名前だったってところが面白い。お母様は粤劇(えつげき)の女優でした。『ベルベット・レイン』で粤劇の稽古風景が登場しますが、それもそんな下地があってのことだったのです。

『ベルベット・レイン』といえばアンディ・ラウとジャッキー・チュンがレストランのテーブルを挟んで対峙するシーンが印象的ですが、ここの絵の後ろがゆらゆら揺れて見えるカメラワークがおもしろい。「ひょっとして下にカーペットか何か敷いてそれを人力で動かしたりしました?」とうかがったら「やっぱりバレた?下に板を置いてそれを動かしたんだよ、だからテーブルの上にあるグラスのワインまでちゃぽちゃぽ揺れちゃってさ!」と笑っていました。(ちなみにトン・ワイ動作導演のアクションシーンについて、あの地面にぐりぐり顔を押しつけられるエディソン・チャンのカメラアングルのアイディアはジンポー監督)

そんな監督も2005年『姐御 ~ANEGO~』を撮ったあとの5年間はスランプだったそうで、途中『十分鍾情(原題)』というオムニバス映画で10人の監督のうちの1人としてメガホンは握りましたが、2010年の『復讐の絆 Revenge: A Love Story』まで長編映画は撮れなかったのだそう。
その5年間、何をしていたかというと映画の予告編の編集などをしていました。その間に作った予告は30数本。時折はメイキングの編集もしたそうで、彼曰く「口の悪い香港映画人のなかでもダントツに口が悪いのはジョニー・トー。彼の映画のメイキングを編集したことがあるけど、ピー音を入れなきゃいけないような言葉ばっかり喋ってるんだから(笑)」とのこと。

普段は香港映画より外国の映画をよくご覧になるそうで、日本の映画も大好き。多分私より日本映画はよく観てる。「僕は日本映画をよく観てあなたは香港映画をよく観てる、逆だね」と笑う場面も。お好きな監督は是枝裕和監督や市川準監督、特に岩井俊二監督は『ラブ・レター』を観て以来ファンだそうでDVDを揃えているそうです。韓国ではなんといってもキム・キドク監督。「宇宙一“ヘンタイ”(日本語でヘンタイと言った)」と称していて、同感でございます。
香港の監督ではやはりジョニー・トーが一番好き。『ザ・ミッション 非情の掟』に衝撃を受けた1人。
当然、香港ノワール映画の洗礼をたっぷり受けてますから、ご本人の描く世界も黒社会を舞台にしたものがほとんど。

2011年に公開された『保衛戰隊之出動喇!朋友!LET’S GO(原題)』は香港で絶大なる人気を誇った(むこうではマジンガーZより人気があった)日本のアニメ『宇宙大帝ゴッド・シグマ』にオマージュを捧げ、オープニングには正式に東映からゴッド・シグマの映像を買いそれを劇場用に手直しして、香港放映の際にテーマソングを歌っていたレスリー・チャンの歌をのせてバリバリに仕上げたほど。予告編にもわざわざ日本語を使い、どんなゴッド・シグマオタク映画なんだろうと期待して観たら、96分中最後80分すぎまでは黒社会もので、最後やっと戦隊になるという(笑)。当然、主人公の失くした右腕に死んだ親友の腕を移植するなどゴッド・シグマへのオマージュはたくさんありますが、ストーリーのほとんどは血で血を洗うマフィア内部の抗争の物語だから!なにしろ大ボスがあのジミー・ウォングだし!

そのジミーさんとの初対面はプロデューサーの1人、ウィリー・チャン(陳自強、成龍のマネージャーとして有名だったあの人です)のオフィス。会うなり「この映画にはアクションはあるのか?」と訊いたジミーさん、「俺は今でも60回腕立て伏せが出来る!」といきなりそこで腕立て伏せを始めちゃった。1秒に1回という高速で腕立て伏せをする彼に、監督が慌てて「わかりました、もう結構ですから」と声をかけても「俺は言ったことは最後までやる!」と本当に60回やり遂げたそうで「息もあがらず60回・・・本当にすごかった」

劇中、そのジミーさんがラム・カートンとかロー・ワイコン(ケネス・ロー)とかチン・シウホウをはじめとする部下たちにスローモーションのなか殺られっちゃうわけですよ(笑)。それを「黒社会に戦隊を混ぜたら面白いかと思って」と飄々と語るウォン・ジンポー監督。

そんな監督の次回作はやはり黒社会モノを構想しているそう。「今度はコメディタッチでやろうかと思って」
期待してます!

このウォン・ジンポー監督の最新作、功夫映画フアン必見の『悪戦』は、あと1回、12月14日日曜日京都みなみ会館で20時40分から上映されます。日曜は京都にレッツゴー!

第6回京都ヒストリカ国際映画祭公式サイト
スケジュール
悪戦概要予告ページ

悪戦 予告
ベルべット・レイン予告(香港版)
復讐の絆 Revenge: A Love Story 予告
↑これ凄いよ
日本語字幕とナレの予告:保衛戰隊 之 出動喇!朋友! LET’S GO (TVC)
日本語なしの予告:保衛戰隊 之 出動喇!朋友! LET’S GO (Trailer)
レスリー哥哥の歌うテーマソング:宇宙大帝中文版主題曲 1980 宇宙大帝 (張國榮主唱) + 片尾插曲

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↑監督が「なんて呼べばいいの?」と訊くので「イイボシ」と言ったら発音が難しいらしく「ケイコ」も覚えにくいようだったので、「じゃケイちゃん、いわば阿K」と言ってたらサインにそう書いてくれました。

『悪戦』ウォン・ジンポー監督トークショー その1

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『悪戦』ウォン・ジンポー監督トークショー その1

ウォン・ジンポー(黃精甫)監督は、2003年インディペンデント作品『福伯(原題)』で一躍認められ、翌年アンディ・ラウ、ジャッキー・チュン、ショーン・ユー、エディソン・チャンといったスターを配した2作目の『ベルべット・レイン』がヒット。第24回香港電影金像奨で最優秀新人監督賞を受賞。
2010年には、日本女優蒼井そらとジュノ・マックを主演にしたバイオレンスノワールラブストーリー『復讐の絆 Revenge: A Love Story』 でモスクワ国際映画祭において監督賞を獲得。香港で期待されている監督のおひとり。

作品とお写真を拝見してなんとなく想像していた通りの方でした。お酒は飲まず、食が細く「僕のお母さんはすごく料理が上手だから、あまり他のものは食べないんだ」と本当か嘘か分らない事を仰り、しかし、映画の話をしてみるとすごーく率直。そこでトークショーの表と裏でうかがったお話をば。

初対面で「悪戦面白かったです」と言うと開口一番「日本が悪者でゴメンナサイ」と私にむかって手を合わせる香港人。思わず「いやいやいや、昔からの香港功夫映画ファンは慣れてるし!」と言ってしまいましたよ。

悪戦は企画ありきで始まった作品。制作、脚本はウォン・ジン(王晶)。中国大陸との合作映画に慣れてるウォン・ジンは検閲を通る脚本を作るのがうまいのだとか。
これはショウブラの経典、チャン・チェ監督チェン・クアンタイ主演の『上海ドラゴン 英雄拳』(1971年)のリメイクとして作られました。オリジナルは田舎から出て来た男が黒社会でのし上がり、やがて旧勢力の計略によって殺された義兄弟のために復讐するも自らもまた命を散らすという、いわば現代のノワールものの原点のような1本。

主演のフィリップ・ンとアンディ・オンは実生活でも留守中にペットの面倒をみるほどの超仲良し。常々「こいつら中学生の部活の帰りみたいな奴らであることよ」と思っていたのですが、監督曰く「いや、彼らは小学生だから!」聞けば2人は一緒にお風呂に入る事もあるらしい。日本の体育系の感覚だとそれもありだけど、香港の人にとっては不思議な事なのかも。つか、その風呂のサイズを聞くべきだったと今となって後悔しております。撮影所の大浴場みたいなとこだと別に変じゃないけど、自宅サイズだと話は・・・ちょっと変わってきますよねぇ(笑)。

キャスティングとしてはまず馬永貞役にフィリップが決まっていて、そこで龍七役を彼の実際の友人であるニコラス・ツェー(ニコラスは、テレビドラマ『詠春』の際に自ら武館を持つ師傅であるフィリップから詠春拳の指導を受けていました)とアンディ・オンどちらにするかとなった時に監督が「この2人が死んだら泣くのはどっちだ?」と訊いたところ「アンディ」と答えたためにアンディに決定(しかしすごい質問だ)。アンディが撮影中だったために4カ月クランクインを待ったそうです。

私は2人が闘うシーンが心底楽しそうで微笑ましくてかなり好きなのですが、特にクラブで働くフィリップをアンディが突然襲うシークエンスなんか「こいつら絶対に普段からこんなことやっているに違いない」というナチュラルさに溢れております。

で、作品は、馬永貞ながら主人公は決してヤクザにはならない正義の人と描かれていて、ジミー・ウォングの台湾馬永貞映画(!)1972年『ドラゴン覇王拳』のリメイクでない限り、まぁこの辺りは中国大陸の検閲に配慮した結果かなとも思いましたが(実際そうだったらしい)どちらかというと馬永貞と龍七(アンディ)2人で「馬永貞」なのかなという印象を私は受けたんですよね。監督は「旧体制を破ろうとする者」としての龍七に自己を投影したということでした。

劇中、何度かブルース・リーを彷彿とさせる場面や設定(母親からもらったバングルとか)が見受けられたので打ち合わせの際に通訳のソフィーさんと2人して盛り上がったのですが、監督自身はそれほど意識していなかったのだそう。
特にフィリップが胸の傷をなぞったあたり、その指を絶対にペロッと舐めるに違いないと期待していたら舐めなかったので残念。会場でも同じ質問が出ましたが、あれはフィリップがブルース・リーの大ファンなので自然に出た動きだったのだとか。というか、裏では「フィリップがリハーサルの時にブルース・リーの真似を始めたらすごい似てるんだよ!むしろ真似しないでと指導したくらい」だったそうで。ほんと、武打星はことごとくブルース信者のようであります。

ラストシーンも絶対に「ドラゴン危機一発」だよなぁとほくそ笑んでいたら、監督本音ではこの映画をモノクロで撮って(モノクロにしたかったというのは何となく分りましたよね)「ドラゴン怒りの鉄拳」と同じようなラストにしたかったんだそうですよ。が、龍七は死んで馬永貞は死なないと決められちゃったそうで。偶然の産物ですね、気がつけば怒りの鉄拳がドラ危機になっちゃったという。

また、この作品にはオリジナルである『上海ドラゴン』出演者が出てくるのも心憎い。主役だった馬永貞役のチェン・クアンタイ、斧頭党(斧頭会)の一味としてやられてたフォン・ハックオンとユエン・チョンヤンがそれぞれアクションシーンもばっちりあってオールド功夫映画ファンも大喜び。そしてオリジナルで、やはり馬永貞にぶっとばされてたユエン・ウーピンがアクション監督を務めております。

いくら監督とはいえ、自分の父親ほど年の離れた大先輩マスターユエン・ウーピンです、ひょっとしてアクションは全部お任せだったのかと訊いてみると、実は最初ウーピン先生の撮り方は「当てない方式」だったそうで、そこで監督が「リアルヒッティングでやってください」とお願いしたんだそうです。当然本当に当てると痛いですわね、で、撮影中に大陸のスタントマンが全員やめちゃった(笑)。代わりがくるまで12日間撮影はストップしたんだとか。
当然フィリップとアンディのシークエンスも吹き替えなしだったそうです。が、アンディに関してはスタントマンにマジ当てするのがどうしても嫌だと時々吹き替えを使ったそうな。

彼曰く「ユエン・ウーピンさんは超プロフェッショナル、監督の意向をちゃんと汲んでくれるアクション監督、素晴らしい!」と大絶賛。
そんな彼もあなたくらいの歳にはスタントマンや役者に「超スパルタ!鬼!人でなし!」と怖がられたのよ~と言ったら不思議そうにしておられました。人って変わるものなのですねぇ。で、アクションシーンで多用されていたスローモーションは、ジンポー監督の好みだったようです。

そしてこの映画の重鎮の一人であるサモハン。彼が撮影所に初めて姿を見せた時それまで大勢のエキストラで騒がしかった現場が一瞬にして静まり返り、まるで『十戒』で海が割れるかのように人垣が割れ、そのなかを堂々と歩いて来たそう。早いうちからアンディ・ラウ、ジャッキー・チュン、エリック・ツァンといった大スターを演出し「別に緊張したりしなかった」というジンポー監督をもってしてもその時ばかりは緊張したんだとか。うぉ~さすがサモハン!

ところでこの『悪戦』の劇中とエンドロールには、とっても素敵なジャジーな曲が使われています。これは『把悲傷留給自己』というナンバー。元歌は台湾の男性シンガーソングライター陳昇(ボビー・チャン)の1991年の大ヒット曲。それが好きだった監督は『ベルベット・レイン』でショーン・ユーの愛した女の子としても出演した林苑(ジア・リン)に歌わせてオープニングに使いました。今回はアレンジも一新し同じジア・リンでレコーディングしなおしたのだそうです。ツイ・ハークに『小刀会 序曲』があるようにウォン・ジンポーに『把悲傷留給自己』あり。彼にとっての男同士の友情と義侠心には大切な意味を持つ曲のようです。

オリジナル:陳昇 Bobby Chen【把悲傷留給自己 I left sadness to myself】
林苑:電影《惡戰》插曲 “把悲傷留給自己”
おまけ:把我的悲傷留給自己 By 陳昇 / 小齊 @任賢齊神魔人香港演唱會
意味もなく:[我們的粵語片 – 武俠篇(2)] – 背景音樂︰《小刀會序曲》 – 商易 作曲
↑これってうーんと昔から武侠映画のテーマソングみたいなものなんですねぇ。

ウォン・ジンポー監督の話は多分続く。はず。

この功夫映画フアン必見の作品『悪戦』は、あと1回、12月14日日曜日京都みなみ会館で20時40分から上映されます。日曜は京都にレッツゴー!

悪戦 予告
ベルべット・レイン予告(香港版)
復讐の絆 Revenge: A Love Story 予告
悪戦初見時のレビュー

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