葉問3 イップ・マン3 イップ・マン 継承(ネタバレなし)@HK‐ドニー・イェン 甄子丹

公開直後の香港で観てきました。空港に着いて、すぐに旺角に直行。

イミグレを通過した時点で4D上映に間に合う事が分ったので、大ぶりバッグひとつの自分はホテルのチェックインもせずに、そのまま映画館に。みるとその後の回のチケットもかなり予約が一杯で、ほとんどの上映回があと残り数席ずつという状態。慌てて同時に別時間のチケットを購入。毎回のごとく「同じ映画っすよ?」という顔をされるも「いいから」という気迫で有無を言わさず。

そこのショップで葉問3のオリジナルホーローカップを発見したところで、日本女性から「イイボシさんですか?」と声をかけられました。聞けばフリーマン筒井さんのお知り合いで、かなりのネットワークをお持ちの香港映画通。うわぁ、こんなところで!「突然すみません」と言って頂きましたが、いえいえめっちゃ嬉しいです!
そこで彼女の指南通り、チケットを見せて「観客割引」でカップをひとつ購入できました。ありがとう、Yさん!本当はほかのチケットも持っていたのでもう一種類も買えたのですが、妙に貧乏性というか自宅でマジ使うつもりだったので本当に欲しい方しか購入せず。帰宅してお茶を早速飲んでます。これは使い倒しまっせー。
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どうやらYさんも同じ回を見るのだとか。ここで会ったが百年目、上映後、ゆっくりお話などしたかったのですが、いかんせん自分は直後の回のチケットも購入してしまったうえに、彼女はその後ケリー・チャンの7年ぶりのコンサートに行く予定があったので結局、上映後劇場の外で立ち話するしかありませんでした。

初見は4D。
イップ・マン3は3Dで撮影すると聞いていたので、てっきりこれは3Dで座席が動く4DXだと思っていたのですが、実は画面は2Dで座席だけが動く4Dという(これもYさんが教えてくれました。じゃなきゃ、訳も分らず自分は3D用のメガネを購入しようと四苦八苦してたはず)。

結論から言うと・・・4Dオンリーなら別に見なくてもいいのじゃないでしょうか。

正直、4Dは座席が結構動く上に、ミストが出たりアクションの度にボコボコ背中を叩かれたりして映画に対する集中力がかなり削がれ、この初見では評価が結構低かったのです。(なんというか、肝心なアクションで座席が揺れる=画面が見にくい、しかも誰だか分らない人の設定した動きというのが自分にはことごとく合わずにかなりイラっとしたうえに、川井憲次さんの音楽もじっくり確認する集中が残されなかった)発つ前は2Dで観てからと思っていたので本当はその方が良かったのでしょう。上映後彼女と話していて残念な評価を下したのは、充分楽しんだだろう方に水を差すことになって大変申し訳なかったと今となっては思います。ごめんなさい。

その後、一切動かずに落ち着いて2Dで観たら評価が100倍くらいあがりました(笑)。
えーととにかく香港台湾マレーシアと大ヒットしてるみたいです。日本でも一日でも早く公開されますように。どこか買ってください、お願いします。

作品をネタバレなしで短く言うなら
アクションはさることながらユーモアにあふれ(お客さんからも結構笑い声が何度も上がってました)、葉問師父と妻永成の深い愛情に3回はマジ泣き。まさしく涙が頬を伝いハンカチで何度もぬぐいましたよ。そして劇場のあちこちでも鼻をすする音が。まさかそっち方面で泣くとは思っていなかったのでこれは嬉しい驚き。Yさんも仰ってましたがウィルソン・イップといえば、あの名作『オーバー・サマー 爆裂刑事』や『ジュリエット・イン・ラブ』を撮った監督でもあったのだと思いだしました。

話題のマイク・タイソンはラスボスではありませんが、香港映画の後先考えない無茶ブリが功を奏しました。お芝居がうまいかどうかは置いといて、最大限良さを引き出しめっぽう興奮させる設定とアクションで、決着の付け方がこれまた心憎い。今後彼がこれ以上の映画に出ることは難しいと思わせるデキ。その本物のボクシングの足の運びだけで目が覚めること間違いなし。

そしてブルース・リーは当初CGIで再現するはずだったのを諸事情により実写でダニー・チャンが扮しました。そのために最初の構想では2人のアクションシーンを予定していたけれど、ひょっとしたら思いきって方向性を変えたのかもしれません。

ティーンエイジャーの彼と師父との再会、そして弟子になるいきさつは、ブルースのプライドの高さや自信満々の性格がよく表現されつつ憎めない微笑ましいキャラとして描かれていて、出番は少ないものの想像以上に印象的。その後のブルースの哲学に繋がるのではと匂わせるエピソードもあったりして、これはウィルソン・イップの手腕に大喝采を送りたい。

そして何と言っても、リン・ホンがよかった!『序章』では娘と父ほどの年齢差に感じた人もいるかもしれませんが、それから時間を経れば夫婦の歳の差なんて、なくなるに等しい、その事実が見事に表現されておりました。彼女が今後どんな作品に出るかは分りませんが、ドニーさんにとって葉問が一世一代の当たり役だとすれば、彼女にとってのこの永成も最大の当たり役です。今回で心から確信。素晴らしかった。

続いて、タイソンの手下役のパトリック・タム。このキャラはさすがウィルソン・イップ監督!と唸る役で、彼がこの映画の陰のMVPと断言してもいいと自分は思います。

そしてラストファイトを戦うマックス・チャンはすばらしくいい役で、アクションも最高。さすが元袁家班。ユエン・ウーピン動作導演との相性抜群だし、間違いなく現時点では香港金像奨の助演男優賞を獲得した『グランド・マスター』より相応しい今までのベストアクト。この若さでこんな役を演じられるなんて本当にうらやましいいい!!!日本で公開したら間違いなくファンが増えるはず。今からその日が待ち遠しいです。

おっと、ファンに朗報として、エンドロールは人気歌手の歌ではなく、みんなが待ち望んだ川井憲次さんの葉問マエストロのテーマのニューアレンジバージョンですよ。

劇場はいつどんな時間に行っても満員御礼ソールドアウトで1列目までお客さんがビッシリ。なかでも若いカップルが多くを占めていました。老若男女、全ての人に愛されるこの映画の偉大さを、あらためて肌で感じた次第でございます。

最後に一言だけ。今後葉問シリーズがこれで終わりになったとしても、完結編として完璧でした。葉問師父は永遠に不滅です、それだけは間違いありません。

知野二郎さんのブログで報告があった通りブルース・リーは当初の予定のCGではなかったという↓
THIS IS 甄子丹(73) 「葉問3」のブルース・リー役が陳國坤に変更されていた!!
葉問3ティザー預告
葉問3ディレクターズカット預告
葉問3終極預告
葉問3劇場マナー篇(これ、劇場で上映前にかかってた。嬉しかったわ!)
Ip Man 3 アメリカ版預告
葉問3メイキング(アクション篇)
葉問3メイキング(ドラマ篇)

次回は恐らくネタバレバレバレのエントリーになる・・・はず。

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葉問3 イップ・マン3 イップ・マン 継承(ネタバレなし)@HK‐ドニー・イェン 甄子丹 への6件のフィードバック

  1. 龍熱 のコメント:

    こんばんわ!
    恐らくは本邦初の「葉問3」のレビューですね。ワクワクしながら拝読しました。
    私が思うにこの映画ほど公開前から注目と期待を浴びた作品も久しく無かったと思いますが、飯星さんのレビューの最後のこの文章を読んで、私はこの映画が増々観たくなりました(^_^)→ 完結編として完璧でした。葉問師父は永遠に不滅です、
    こちらこそリンクありがとうございます。私も私のブログやFacebookの友人たちに飯星さんのこのレビューをお知らせしても良いでしょうか。よろしくお願いします。

    • ケイコママ のコメント:

      龍熱様
      さっそくのコメントありがとうございました!
      私のこんなんでよかったら是非!知野さんのレビューも楽しみにしています!

  2. 龍熱 のコメント:

    こんばんわ。レビュー告知のお許しありがとうございます。
    早速にブログの「THIS IS 甄子丹」とFacebookに告知させて頂きました。
    「葉問3」早く観れるように頑張ります!

    • ケイコママ のコメント:

      あんなに書いて頂いてありがとうございました!感謝感激です!

  3. YことKumi のコメント:

    シネマシティでは急にお声かけしてすみませんでした。まさか同じ回でお目にかかれるとは思いませんでした。短い時間でしたがいろいろなお話ができて楽しかったてます。今回は複数回鑑賞されるかた多いですね。(T垣さんは4回!)
    いつか葉問3が日本公開される日が来るよう応援していきたいと思っています。

    • ケイコママ のコメント:

      Kumiさま
      その節はありがとうございました!あの時、ネガティブな話をしたのでは?とせっかく楽しんだ人に水を差したかもとずっと気になっていました。なにしろ動かず落ち着いて観たら100倍(もうわかったって)本当に失礼しました、直接お詫びできてよかった。日本では高くてまだまだ手が出ないようです。嬉しい事にヒットしており、いつも思いますが痛し痒しです。でもいつかどこかが買ってくれることを信じて私も応援したいです。コメントどうもありがとう。

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