導火線 FLASH POINT日本版ブルーレイ発売

珍しい事に、ここにきて『導火線 FLASH POINT』の日本版ブルーレイが発売されました。なんでも権利が切れる直前の駆け込み的な販売らしく、だからこその売り切れ御免の限定発売。そんなことなら最初(略 いやいやいや、発売してくれてありがとうございます。おまけに谷垣健治さんのコメンタリーまでついてるし!

谷垣さん、『捜査官X』のおっかないおばさんじゃなくて、それはクララ・ウェイ(ベティ・ウェイ/惠英紅)さんですよ(笑)

70年代からショウブラザーズの映画の端役として出演し、ラウ・カーリョン(劉家良)監督に見いだされて劉家班(ラウ・アクションチーム)入り。1981年、監督の功夫映画『レディクンフー 激闘拳』で主演として第1回香港電影金像奨の主演女優賞を獲得。

その後も数々の功夫作品に出演。足の骨を折りながらもギブスをつけアクションを撮り続けたエピソードを持つ昔ながらのアクション女優でもあります。

2000年代に入ってからは素晴らしいバイプレイヤーとして活躍。2009年の『心魔(原題)』で香港台湾をはじめ数々の映画賞で助演女優賞を受賞、復活を印象付けました。また第33回香港電影金像奨では『キョンシー(リゴル・モルティス)』で同じく助演女優賞をもらっています。

2011年のピーター・チャン監督、ドニーさんの『捜査官X』においては本格功夫アクションを披露。いまだ錆ついてないその動きにオールド功夫映画ファンは大興奮。

その実兄が『導火線』や『SPL 狼よ静かに死ね』に出演したオースティン・ワイ(惠天賜)。若い時それはそれはびっくりするほど甘いマスクをした二枚目功夫スターだったんす。中年になってからは苦み走ったいい男。

で2人はめっちゃ美形兄妹。

お兄さんは残念ながら2012年に鬼籍の人となってしまいました。
コメンタリーにお二人のことが出てきたのでなんとなく補足。

ついでにこの方々に関しての記事
クララ・ウェイ(ベティ・ウェイ/惠英紅)
映画 レディークンフー激闘拳(1980年・香港)&超酔拳(2003年・香港)
映画 秘義・十八武芸拳法(82年・香港)
武侠(邦題:捜査官X)香港BDにて-ドニー・イェン 甄子丹
掌門人(1983年・香港)
殭屍 Rigor Mortis : 邦題 / キョンシー(2013年・香港)
蔵出しその10(2014)/ 那夜凌晨,我坐上了旺角開往大埔的紅VAN The Midnight After(2014年、香港)

オースティン・ワイ(惠天賜)
プロジェクトD(1979年・香港
惠天賜と司徒錦源

それにしても、自分のようなドニー・イェンファンに谷垣さんの果たしてくれる役割ってハンパなく大きいですねぇ。ドニーさんが結構な天然というのは放っておいても伝わる事かと思いますが、それを裏付ける谷垣さんの語る数々のエピソードは彼の魅力をあますとこなく伝えてくれて、ほんといつの間にか、ドニーさんと呼ぶたびに笑いさえこみあげてくるという。

オレ様だろうが自分の事を心底カッコいいと思っていようが、脚本が壊滅的であっても、かつて信じられないほどの早回しをしていたとしても、自ら「宇宙最強」のTシャツを販売しようが、あのお世辞にも上手とは言い難いピアノで堂々ドヤ顔をしてそれに押されるかのように「すげードニーさん」と言ってしまう勢いといい、何もかもを凌駕する「ドニーさん」の魅力の一端は、間違いない、谷垣健治さんが伝えてくれたものでもあります。まるで伝道師のような存在。

しかもこの伝道師は同時にアクション映画の見方を具体的に教えてくれる人でもあるのです。ぶっちゃけ自分のアクションへのアプローチはほとんど彼のコラムやインタビューで教えてもらった事と言ってもいいでしょう。でも同じような人はきっとほかに沢山いるはず。ファンの一人として谷垣健治さんが世界の別の場所じゃなくこの日本にいることに心から感謝したいとあらためて思いました。ありがとうございます谷垣さん。

そういえば、コメンタリーでも『スペシャルID 特殊身分』の公式サイトでもありましたが、シナリオライター司徒錦源はシトー・カムイェンと読むのがいいのでしょうか。ずっとセット・カムイェンとばかり。

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