世界中に驚きを与え喝采を浴びた『白鳥の湖』から十数年。『ザ・カーマン』『プレイ・ウィズアウト・ワーズ』などを経てマシュー・ボーンの『ドリアン・グレイ』が日本にやってきました。
うれしいことにUKキャストを主催のホリプロに招待してもらい、自分でJPキャストの方のチケットを買って両方観てきました。「ええ~、JPキャスト観なきゃだよーーー!」と劇場で会った時におっしゃった堀社長、ちゃんと観ましたよ!えっへん。
原作は1890年に発表されたご存知オスカー・ワイルドの小説『ドリアン・グレイの肖像』。過去3度映画化もされております。その題材をマシュー・ボーンらしいアレンジで描くというので非常に期待しておりました。
オープニングから大音量で聞こえてくる『白鳥の湖』。うお!と思ったら実は主人公ドリアンの目覚まし時計の音だった、という。わはははは。2幕目にも『シンデレラ』の音楽が使われていたので、ちょっとしたファン向けへの小ネタも効いてます。
今回の舞台は、UKキャストといえども全員ではなく4人。アンサンブルを日本人のダンサーで固めた日本仕様のものという試み。超有名プリンシバルが来日し東京バレエ団と組んで五反田ゆうぽーとホールなんかでやるセッションなどと同じ形式ですね。
両方素敵でしたが、なんといってもJPキャストでドリアン・グレイを演じた大貫勇輔さんが素晴らしかった。想像以上に線が太くてね。日本のダンサーの方は先入観もあってか線が細いイメージを持っていたのですが、彼は非常に恵まれた体格の持ち主。これだけですごいアドバンテージですね。アンサンブルも日本人ということでより一層まとまり感はあったのかもしれません。
しかもこの日は、アフタートークとしてマシュー・ボーンご本人のトークショーつきでめっちゃラッキー。彼曰く、「今回ダブルキャストでしたが、同じ振り同じリズム取りで踊っていてもまったく同じにならないのは当然。それが表現者ということです」(うろ覚え)とか。
その言葉に首がもげそうなくらい頷いてしまいました。だからこそ我々は何年、数十年もかけて幾度も同じ演目の舞台を観に行くわけです。
今回はたった5日間という短い公演期間でしたが、将来大貫勇輔さんのドリアンで再演されるようなことがあれば、もっとこなれた一層深みを増したものになるだろうし、多分彼の代表作になるだろうなと期待を抱きました。いつかまたそんな日がくることを願いたいですねぇ。
Matthew Bournes DORIAN GRAY (Official promo montage)
『ドリアングレイ』 CM
【大貫勇輔】マシュー・ボーンの「ドリアン・グレイ」記者会見
最初に書いたマシュー・ボーンの『白鳥の湖』といえば有名なのが映画『リトル・ダンサー』。ジェイミー・ベルが大人になったら、アダム・クーパーになっちゃってて踊ったあれです、あれ。
ジェイミーといえば昨年観た『第九軍団のワシ』で大人になってて驚いちゃったわ!
Billy Elliot (2000) – Check Trailer
Adam Cooper@Swan Lake
今回UKキャストは4名(内現役NAダンサー日本人1名)でしたよ。
mikiさま
間違えました。さっそく訂正しました、ご指摘ありがとうございます!