WBC日本代表戦

3月7日、東京ドームにWBC野球日本代表対韓国戦アジアラウンドを観に行きました。 スタジアムは超満員。あらためて日本代表の人気の高さを実感した気がします。

東京ドームには、阪神タイガースのファンとしてよく出掛けますが、そこは代表戦。やはりいつものプロ野球の雰囲気とはまったく違った匂いがありました。

メジャーで活躍するお馴染みのスター、イチロー、福留、城島、岩村らがスタメンに名を連ね、先発が松坂とくれば、野球ファンならそれだけでワクワクするメンバーです。
そこにヤクルト青木、ベイスターズの村田、内川、ライオンズの中島と私の考えるベストな布陣で臨むとはさすが韓国戦。

試合は1回の表、1番イチローのアジアラウンド初ヒットからボルテージは一気に最高潮。
「うおおおおお!!!」内野席にかかわらず、そのヒットに周りの観客が全員立ち上がったのにまず驚きました。(プロ野球では内野席はあまり立ち上がることは歓迎されず、立ちたい奴は外野にいけ!な暗黙の了解みたいなものがあるのです)

そこでとにかく一瞬にして分かったことは、感激したい、楽しみたい!という観客全員の積極的な勢いが球場中をうねりのように渦巻いていたということ。

一方、こういう試合ではトイレのタイミングを計るのがすごく難しい(トイレかよ!)。
いやいや、あなどるなかれ。野球の球場観戦で結構難しいのがトイレに行くタイミング。

プロ野球ではみんなだいたい自軍の守りになると自然現象をもよおすらしく、その流れに乗ってしまうと間違いなくトイレの前で長蛇の列に並ぶ羽目になるのです。
かといって応援するチームの得点シーンを見逃すのは大きな後悔を生むことになりかねません。
30年以上の観戦経験から、いつの間にか私は「大事なシーンを見逃すような後悔することなく、しかしトイレに並ばずに済むために」試合の流れを読むようになりました。
どんなに調子が良くても無得点のイニングはあるし、ランナーが出てもHRでもない限りすぐに点数にはなりません。
素晴らしい3割バッターでも打つのは10打席に3回。
そのイニングに打席に立つ打者の最近の打率、もし出塁があってもそのランナーの足が速いかどうか、そしてもちろん相手投手の状態などを考慮して「絶妙のトイレタイミング」を探ること、実はこれは私の秘かな野球観戦の醍醐味のひとつでもあるのです(笑)。

しかしこの日の試合はその「絶妙のタイミング」が生かされませんでした。
いや、私の読みはことごとく当たっていたのです。
しかし観客のほうに「いいシーンを見逃すまい」という意思があまりなかったみたいで、「絶妙!」と思ったタイミングだろうが、日本チームの守備中だろうが、人の流れにあまり差がなくて驚いてしまいました。

そこで考察したところによると、今回スタジアムに来ていた人は、普段プロ野球を見慣れている層以外の人がたくさん詰め掛けたということ。
なぜなら私が見ていたのはどこかのプロ野球団ではなく、ドリームチームでした。

イチローのヒットや盗塁にこの世のものとは思えないほど歓声を送ると同時に、すでに打席に入った選手におびただしいフラッシュをたき、プレー中のウエーブにも自分たちが楽しいから喜んで参加する。

それこそが日本代表戦なんだなぁ、と改めて感じた次第です。
せっかくだから、これを機会にプロ野球の方にも是非観戦に行ってくれたら嬉しいなぁ。

 

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