先日、ある男性と話していたときに、ちょっと関西弁を使ったら「イーボシさんは関西の方ですか?」とすごく驚かれました。
「はい、大阪生まれの大阪育ちです」と答えたら「うーん、関西弁は使わないほうがいいですよ」と真顔で言われちゃいました。
あの真意はどこにあるのか、関西弁嫌いな人だったのか(でも本人はバリバリ関西人)それとも私の関西弁が変だったのか?いや、私のことをどこか違う土地の出身だと頑なに信じてきて裏切られたような気にでもなったのか、ちょっとわからずに今もモヤモヤだけが残ってます(笑)。
さて、嫌がられようがなんだろうが自分は関西人なものですから、もちろん家族との間では関西弁オンリー。京都大阪など関西方面に行くと、やはりすぐ関西弁に戻ってしまいます。
カメラの前ではなんとかなりますが、休憩時間とかオフとか言うとまずあきません、無理ですわ。マクドナルドも自然にマクド(笑)。それにしても何故マックが関西でだけマクド。これは私にも分りません。
マクドのように短縮語なのに何故か関西だけ違う言い方をするものって結構あるそうですが、なかでも笑ったのがクラッシックの楽曲名。(そこまでも!)
モーツァルトのト長調K.525。別名セレナーデ第13番、日本名小夜曲、つまり<アイネ・クライネ・ナハトムジーク>。
これはタイトルが長いというのでクラッシック業界では「アイネク」と略すそうですが、なぜか関西方面ではこれを「アイクラ」と言うそうで。
マックとマクド、アイネクとアイクラ。共通点があるようなないような(笑)。
クラシックといえば昨年の夏に九州交響楽団のコンサートの司会をした経験があります。間近で聴くオーケストラの調べは本当にわくわくして楽しい仕事でした。
そこで、モーリス・ラヴェルの「ラ・メール・ロワ」という楽曲、しかもそれをフルオーケストラでの演奏にのせて私が<眠れぬ森の美女>を朗読するという機会に恵まれたのです。
もともとこの曲は友人の子供たちのために作曲されたピアノの連弾曲。とてもロマンティックな美しい旋律で管弦楽組曲版の終曲ではラヴェルらしい壮麗なオーケストラレーションで締めくくられます。こんな美しい曲で朗読できるなんて。
実は私、恥ずかしながら若いころは女優志望でした。
もう喜び勇んで、姫、魔法使いの老婆、結婚を申し込む若者、妖精、王様、王子、ナレーション部分と7色の声を使い分け(だいぶ宝塚風味だったけど)、滔々と朗読させて頂きましたが、原稿を読んでいて何度も鳥肌が立ちました。
あの音楽と言葉のタイミングの合った時の気持ち良さったら!本当に夢のような素晴らしいひとときでした。
そうそう、ラヴェルというと最近ずっと原稿を書く間、ラヴェルの<亡き王女のためのパヴァーヌ>を聴いています。
仕事中あまり音楽を聴くことは少なかったのですが最近、マンションの上の階に住んでいるオチビちゃんが走り回る音が良く聞こえるようになって、それが気にならないように聴き始めました。
これとマスカーニの<カヴァレリア・スルティカーナの間奏曲>とマーラーの<交響曲第五番のアダージョ>とこちらはジャズですがキース・ジャレットの<ケルンコンサート>この四曲をとにかくヘビーローテーションで聴きまくっています。
慣れると他の曲じゃダメなんですよね、不思議だけど。
もちろん、ポップスや古いロック、歌謡曲、ジャズや民族音楽も大好きで私のi-podには二千曲以上入ってますが、仕事する時だけはなぜかこの四曲。
古い友人にも最近クラシックが好きになったという人がいて、何も言わないのに先日ご飯を食べに行ったらいきなりモーツァルトのピアノ協奏曲20番と21番、それにベートーベンのヴァイオリン協奏曲のCDをくれてびっくり。もちろんクラシックファンにありがちな楽曲や演奏者の詳しい注釈つきで(笑)
最近、仕事中に<亡き王女のためのパヴァーヌ>ばっかりかけてるといったら辻井伸行さんのピアノのはいいよ、と推薦してくれました。今度聴いてみよ。
28年前は二人でイギリスのバンド、ロキシ―ミュージックの武道館コンサートに一緒に行ったのにね~、と顔を見合わせて笑ってしまいましたわ。
そういえば毎年年末になるとベートーベンの交響曲の一番から九番までを演奏するコンサートを聴きに行くという知人もいましたっけ(一体何時間かかるんだろう?)。
さて、このベートーベンの交響曲ですが聞いたところによると業界ではすべてを番号で呼ぶわけではないらしいです。
一番、二番、エロイカ、四番、運命、田園、ベト、八番、第九、と呼ぶそうな。なんか、面白いですね。