飲む前にヘパリーゼ

師走ですなぁ。
色々飲み会とか続く時期ですが、みなさま肝臓の調子はいかがですか?

酒飲む前に「ヘパリーゼ」はマジお勧めですよ。
これがあるとないとでは翌日がまったく違うから(と自分は思う)。

そんな師走に突入してすぐの先日、年末香港映画の夕べということでTWINの吉鶴さんがメンバーを集めてくれました。
メンバーは吉鶴さんと私とNさんと、台湾人のJくん。
このNさん、昔香港にも住んでいた事があり、相当の香港映画通。てか、香港電影系のデータ本のライターだとか、あのキングレコードのショウブラDVDの特典インタビューのインタビュアーも務めたというツワモノ。

最近観た映画とか、うんと昔の作品とか、いろんなところに話が飛んで楽しかった~。
私があまりに熱く劉家良の監督第一作「神打」を語っていたら、Nさんから当時の事情(チャン・チェ監督と袂を分かったあとの劉家良師父のモチベの下り具合)なんかもうかがえて勉強になりました。

新作では、チョウ・ユンファ主演の「孔子の教え」の話題に。

「これで孔子を分ろうと思っちゃいけないんです、これを見て論語を勉強しようと思ってもらえれば」と配給元吉鶴さん。
いや、すごく地味な映画かと予想していたら合戦シーンも結構あって派手な場面が多く、まったく飽きずに観ることができて正直驚きました。
そのうえ、孔子役のチョウ・ユンファが非常によかった。
ここ10年ほどはアメリカでのバイプレイヤーの印象が強い彼ですが、この役は想像以上に似合っていました。いうならば新境地開拓というところ。やはり彼は主役が似合います。
今後も本格的に香港中国で腰を据えて映画撮ろうよ!ユンファ!
「孔子の教え」日本公式サイト

さて、話は戻って。
功夫映画の話を、特化してファンでもないという映画好きと話していて戸惑うことのひとつに「○○は、以前公開された○○にストーリーが似てない?」という言葉。いや、似てるなんて言うのはまだカワイイほうで、ヘタすると「あれパクリじゃん!」と言い切る人がいたりもする。

ええと、それは世間で言うインスパイアというものでして(笑)。
まぁ、1作でも新鮮なキャラが登場してヒットを生むと一斉に「同じもの作ったもん勝ち!パクリがなんぼのもんじゃーい」みたいなノリで追随しまくるのは確かに香港映画の特徴ですけど・・・。
それはいわば出発点が「そこ」というのが基本姿勢なので、その、あの。

その特徴を肌で感じることができれば、彼らに対して「パクリじゃねーの」と真顔で問うことがどれほどバカバカしいことかご理解いただけるとは思うのですが、それを説明するのも大変なので「ま、香港だからね」くらいでお茶を濁すことになるわけです。そのモヤモヤ感ったら。

正直、香港映画からこのインスパイアがなくなったら功夫映画なんか存在しなくなっちゃいます。

1:大事な人が殺され、復讐する。
2:大事な人が殺され、修行して復讐する。
3:自分の功夫の技術や生き方に傲慢さを抱いている主人公が痛い目に遭い「いい人」になって復讐する。
4:自分の功夫の技術や生き方に傲慢さを抱いている主人公が痛い目に遭い「いい人」になって復讐するのは意味のないことと知り、違う道を説く。

ストーリーはほぼ、この4パターンくらいしかないでしょう。
しかも3と4なんか数としては、まったくもって少ない方で、9割は1と2で構成されています。

あとはその仇役が、時の権力者か、ヤクザの親分か、敵対する道場主か大侠か、日本軍か、そして時折欧米列強国の象徴である外国人と異種格闘技戦を入れてくるか、まぁそれくらいの変化しかありません。

ほら、パクリだとか言うのがアホらしくなりませんか?

こんな感想を、その飲み会でしたら、みんな一斉に「そうだよな~~~」と声をあげました。
あとはアクションの差でしかないけど、そのアクションすら「インスパイア」しまくりだから!とNさん。
「みんなの好きなこの映画も、あの映画のアクションも元ネタはみんな劉家良だったりするんだよね~」

そのあたりのネタばらしはショウブラ特典映像のインタビューで、劉家輝が話していたりしましたね。

私が甄子丹ファンであるということは皆さんご存知なので、なんとなくそういう話にもなりました。
「そういえば主演2作目のMismatched Couplesは結構恥ずかしい記憶らしいですよ」という話題が。それ、香港版持ってます。びっくりするほどブレイクダンスな青春映画っすよね。

でも、自分、過去を振り返る大陸のインタビュー動画で、そのダンス映像を見せて「今見てどう?」と恥ずかしがるカワイイ反応を引き出そうとした司会者に対し、たじろぎもせず「今見るとヘアスタイルが当時だよね~」としれっと答えてたのを見ましたよ。
それ見て、「この人スゲぇ」と感心したからよく覚えてる。絶対恥ずかしくないわけないのに咄嗟にあの反応ができるとは。負けず嫌いにもほどがあります(笑)。

来年8本撮ると予定していた計画ですが、すでにもう数本が流れてしまったようで。なかには日本でニュースになっていた作品もオシャカになったかも、みたいです(未確認情報)。
この12月は一体何を撮影するんでしょうか。香港映画だから誰にもわからない。
正座して待つしかなさそうです。

 

カテゴリー: film, 功夫映画, 甄子丹 タグ: , , , , , パーマリンク