三国志英傑伝 関羽 日本語字幕版を試写室で―ドニー・イェン 甄子丹

とうとう「関雲長」が来年の2012年1月14日から東京で公開されることに決定。驚いた。
自分、これ絶対公開ないと勝手に思いこんでたわ。
当然大喜びなわけですが、一方でこれと「武侠」がコケたらまた当分、ドニー映画の公開がなくなるんじゃないか、などと、いらぬ心配までしてしまう常にネガティブな思考をなんとかしてください。

さて、この「三国志英傑伝 関羽」(日本タイトル長いよう)
最初に観たのが中国簡体字の字幕しかないソフト。
なのに、どうしても、どーしても台詞の意味が知りたかった自分。
三国志すらまるで分ってもないのに、チマチマと手打ちで翻訳サイトに簡体字の省略漢字を入力し、意味がまるで繋がらなかったら、その度にいちいち中国語辞書で慣用句なんかを調べて、3日かけてこの映画の概要を想像するという信じられないような執念深いことをしました。

あまりの字の多さに、その時にコペピ用のシンプルな簡体字辞書を、手打ちで作ってしまったほど。
でも、その荒療治のお陰で随分中文へのハードルが下がったみたいで。
この間、ある韓流アクション映画を1本、中文字幕で観ることができてしまったのには笑えました。人間、何でもやってみるもんす。

そこで今回、秘かに楽しみにしてたのが、自分の理解したストーリーとどこまで合っているのか、果たして台詞のニュアンスは掴んでいたのか、その答え合わせ。

ものすごく大雑把にですが話の流れはあってました。嬉しい。
でも細かく理解できなかった台詞も結構あって、今更「そういう含みがあったのか!」と驚いたり納得したり。
特に、自分の青龍偃月刀をなぜ榮陽の関所で太守の元に置いていったのかが理解できなかったのが、やっと解った。
長年の便秘が解消されたみたいにスッキリ。ああ、日本公開が決まって本当に良かった。

のちに取り寄せた香港版BDで10回近くは観てしまっているので、最初の頃に書いた疑問やモヤモヤなんかはすっかり霧散しており、普通にアイドル映画の如く、ドニーコスプレ作品として楽しめる境地にまで至っております。

だから試写室でも、ひたすら古装のカッコいいドニーさんのクローズアップや、アクションでの動きの素晴らしさに脳味噌を痺れさせながら、この身を委ねるのみ。

でも時折、自分の直訳だと殺伐としていたはずの台詞が日本語字幕ではソフトになっているのに気がついたりして。
特に顔良のところに攻め入る直前、関羽が曹操の騎馬軍を鼓舞する最後の言葉、本当は「殺!殺!殺!」だもんなぁ。それが日本語だと「いざ!まいる!」みたいになってたし。なんとなく、そんなニュアンスの差も新たに興味深かったです。

しかし、今日あらためて自分の家よりデカイスクリーンで観て思ったのだけど、ドニーさん、どえりゃー男前になったなぁ。
つい最近、89年の直撃証人の香港BDを流し観したせいかもしれないけど、演じるキャラの違いや表情も含めて、なんだかその変わりようにまずしみじみ驚いてしまいました。

そして劇場でめちゃ観たかったアンディ・オンとの武打シーン。
やはり、あれは絶対に大きな画面で観るべきですよね!感涙。嬉しゅうございます。
あの狭い路地を活かしたアクションを観ていると、劉家良監督が昔、設計した「武館」や「セブンソード」のシーンをルーツとして思い出したりして。
ああ、こうして功夫映画は少しづつ形を変え色彩を変えてゆくのだなぁと別の意味でも、その伝統の大きさを感じます。

ただひとつ気になったのは、洛陽の関での毒矢にやられたあとの1対100の室内アクション。
照明が暗すぎるううう。BDで観た際にはそこまで感じなかったけど、試写だといきなり暗すぎ。
あんな凄いことしてるのに勿体ない。
あそこは苦しい表情や細かい動きや長刀の扱いなど、みどころ満載なのに、映画館に来たお客さんには何をやっているのか、よく分らないかもしれない、とまた心配顔。

なんであんなに暗くなっちゃったんだろ。昔、笑っちゃいそうなくらいの早回しをしていた時に特に思ったのだけど、彼や彼の周りにいる人達って動体視力よすぎるんじゃ?

ま、とにかく、三国志はいったん忘れてもいいから(忘れるのか!)、この古装で男前のドニーさんをゆっくりご堪能くださいませ。

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関雲長メイキング
三国志英傑伝 関羽 日本公式サイト
三国志英傑伝 関羽特報予告(日本語版)

 

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