とうほく食文化応援団 第3回
仙台名物というと、なにが思い浮かびますかね。
まずは「牛タン」と「笹かまぼこ」が上位に入ることは間違いないでしょう。
もちろん、この2つも名物として申し分ないのですが、何度も仙台に足を運んでいると
「いやいやいや、他にも美味しいものは一杯ありまっせ~」
と声を大にして言いたくなる。
しかも、これが東京に比べてお安いのなんの。
宮城は食の宝庫。
米どころとして知られるだけに日本の農業を支える県のひとつでもあり、宮城牛で有名になった高級和牛の産地でもあります。
そして何といっても全国有数の水揚げを誇る漁港も持っている。
仙台に行ったら、私は必ず魚を食べます。近海ものの美味しいものがたくさんあるんだよぅ。
そして、そんな仙台に新名物があるそうな。
向った先は文化横丁にある寿司屋「新富寿司」。
ここで食したのは仙台の新名物として近年売り出し中の「仙台づけ丼」。
「づけ」というと、自分はマグロくらいしか思いつかなかったのですが、仙台では、近海ものの、主に白身魚を「づけ」にして提供しているところが一味ちがいます。
この日は、あいなめ、真鯛、すい、白魚が載っておりました。
しかもお値段がびっくりするほどお安いときた!ランチに戴くとより一層お得感があります。
小鉢と味噌汁がついて1,050円也。
マグロのづけと違うのは、白身はもともとが淡泊だけに、そのづけダレも繊細な塩梅で作られていて、その魚の持つ甘みや味わい、食感を壊さないように、むしろそれを引き立たせるような工夫がされている。
当然、季節や各店舗によってづけダレや魚の種類も違うので、それぞれに個性が出るわけです。
↑奥から左、「寿司勝」のづけ丼。右「新富寿司」
手前「富貴寿司」仙台づけ丼 (内容は季節や日によって変わります)
白身魚をこよなく愛する自分としては、これは願ったりのメニューですわ!
東日本大震災以来、東北の豊かな食文化はすべてにおいて大打撃を受けました。
こちらのお店も、魚が手に入らないために最近まで閉店を余儀なくされたほど。
やっと再開出来たという店舗はここだけではないでしょう。
そしてそれは魚を出す店だけではないに違いありません。
懸命に頑張る生産者や、逆境と闘う食を支える人達を応援する意味でも、自分は東北の美味しいものを、これからも食べ続けますよ!