2年前から、仙台放送でアサヒビール提供の「とうほく食文化応援団」という番組を担当させていただいています。
今年はいよいよ3シーズン目。
第一回目のロケは石巻焼きそば。
最近はB1グランプリをはじめとしてご当地グルメイベントが大盛況で、地方色豊かな焼きそばが沢山ありますが、そのなかでもこの「石巻焼きそば」は個性的。
なにが特徴かと言うとやはり麺。
石巻茶色い焼きそばアカデミー事務局長の島英人さんによると、ここの麺は普通の麺を二度蒸しするんだとか。すると、麺に含まれた「かんすい」が反応して茶色に変色するのだそうです。
その麺を、炒めるのではなく魚介を使ったスープを麺に含ませるべく蒸し焼きにする。
具はいたってシンプル。ネギと豚肉ともやしとトッピングに半熟目玉焼き。
これは初めての味でした。
変な話、この歳になって初めての味というのは、めったに出逢うことはありませんが、このようなものが存在したとは。
見た目は普通の焼きそばとさほど変わりはありません。
が、茶色く見えるのはソースではなく麺の色。ソースをかけずとも、その魚介の出汁がきいていて充分味わいが深い。
取材したお店八鶏飯蔵の店長、林正徳さんいわく「最後にソースをかけて食べるとまた味が変わっていいですよ」とのこと。
んん~確かに最後にウスターソースをかけると、また違った世界が広がるじゃありませんか。これにビールがまた合うんだわ!
私も自宅で面倒くさい時など、ちゃちゃっと焼きそばを作って食べることがありますが、自分で作るとあのソース味が時々胃にもたれるようになりました。
しかし、この石巻焼きそばはあっさりしていて最後までものすごく美味しい。「40過ぎたら石巻だな!」などと分ったような分らんような感想をつい言いたくなりました。
機会があったら、一度是非お試しあれ!
追記
お話を伺った島さん、実は製麺所を経営していらっしゃいます。
この5月に東松島に個人的にボランティアに参加した際、被害の大きかったこの石巻沿岸を見る機会があり、その変わり果てた姿に茫然としました。
島さんの製麺所も津波にやられて全てダメになり、その後大変な思いをして再開した、ということを以前ニュースで見たことがあります。
明るく元気にお話ししてくださった島さんですが、その陰で様々な御苦労があったことと思います。
町おこしから、全国に広まったこの石巻焼きそばですが、石巻の人々にとって今はまた違う思いのこもったものになっているに違いありません。
石巻焼きそばアカデミー
http://yakisoba.hp2.jp/
居酒屋 八鶏飯蔵
http://www.hattori-h.com/
仙台放送 アサヒビールプレゼンツとうほく食文化応援団
http://www.ox-tv.co.jp/shoku/