タイガース開幕2011

今年のシーズンは始まる前から、東日本大震災という信じられないことがありました。

こんな気分で開幕を迎えるとは選手はもちろん、日本全国誰一人、想像だにしなかったでしょう。

開幕カードの3戦目、私は甲子園にいました。
ゲートをくぐり、階段を上り焼き鳥の匂いのする通路を足早に進んでチケットに記された番号のエントランスからスタンドに出る。

目の前に広がる客席に縁取られた緑と土のグラウンド。
もうね、それだけで涙が出てきました。

毎年、シーズンが始まって初めて球場を訪れると、懐かしく嬉しい気持ちで胸が一杯になるのですが、今年の感情はそれともまったく違う。

ナイターだ、電気たくさんついてる!
そんなことも頭をよぎります。

大震災で被害にあわれ被災されたり厳しい現地で従事しておられる方々がたくさんいる中、私ごときの気持ちなど当然取るに足らないでしょう。
だからこそ、普段他人には絶対に言えない不安を自分もまた抱えているのだと気づかされると、そんな自分にうろたえてしまうのです。

正直、勝負とかどうでもいい、ああ甲子園で野球やってるよ、ブラちゃんもマートン先生もここにいる、広島の先発バリントンは初年度でいきなりこの状況なのに頑張ってる、金本さんもスタメンだ、鳥谷くん、ナイスプレー!そんな想いで胸が熱くなる。

試合は残念ながら20時すぎに終わる貧打線。
翌日の仕事の都合で東京に日帰りで帰る予定だった私は、なんと最終の1本前の新幹線に乗ることができたほど。

いつもならとほほ、な気分ですが、この日ばかりは不思議な安心感を抱いて帰路に着きました。

それからしばらく経ちますが、劇的なサヨナラ試合を決めたかと思うと新人さんに輝かしい初勝利を献上したりと、チームがどうもうまく噛みあわない。

勝負にこだわらない、と言った同じ口でこう言うのも矛盾しているかも知れませんが(笑)、相も変わらず初物に弱いタイガースを今年も見せていただいてその安定感には嬉しいやら悲しいやら。

関本選手に代走出すなら1塁に出た瞬間に出しましょうよ、なんてことも毎年感じているような、いないような(笑)。

でも一番気になるのは、なんとなくチーム全体に元気がないように見えること。
ファンは元気のない贔屓チームを見ることほど辛いものはないのであります。

勝つか負けるかは時の運と申します。

もちろんプロなんだから「勝ってこそ強まる結束力」というのも重々承知したうえでお願いします。
どうか今年は私たちに、のびのびプレーする姿を是非、たくさん見せてください。

 

 

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