お仕事で、プロフリークライマーの尾川智子さんにお話を聞く機会がありました。
フリークライミングと言っても競技は多種にわたり、自然の岩場を登るものから室内に作られた人工壁を登る物まで様々。
一見したところ、とても小柄なかわいらしい女性です。
そんな彼女がどういういきさつで始めたかというと、大学時代ワンダーフォーゲル部に所属していた際に、「山岳競技」に出る選手が足りなくなり先輩に誘われたということがきっかけらしい。
山岳競技って聞いたこともなかったのですが、どうやら縦走とフリークライミングを組み合わせて競う競技らしい。
そんなのがあったのか!
たちまちクライミングに魅せられた尾川さん、始めてわずか3年でアジアのトップに。
とにかく、ひとつひとつをクリアしていくのがすごく楽しくて、努力の成果が目に見える達成感にとりつかれたのだそう。
クライミングというと、古い話で恐縮ですが、80年代一世を風靡したロックバンドに「ヴァンヘイレン」というのがありまして。
当時、そこのヴォーカリストだったデイヴィッド・リー・ロスがやたら股関節の柔らかい男で、映像などで見せるジャンプしてのものすごい開脚に、たまげたものでした。
(あの頃のアイツなら、回転ソバットやワンジャンプ3人連続蹴りが出来そうだ)
のちに彼の趣味がクライミングと知り(確か自分のソロシングルのMVでもエアーズロックかなんかを登るそんなシーンがあったような、なかったような)そうか、ああいうところを登るには股関節が柔らかくないとあかんのだと強烈に納得したことを覚えています。
実際、クライミングにはその柔軟性も必要だそうですが、何よりも必要なのは負けず嫌いな性格なんだとか。
誰もがいきなり上手に登れるわけでもないそうで、そこで物を言うのが反骨心。
「できない」ということを「くそ、今度こそ」とトライし続けることのできることが大事らしい。
ああ、自分には無理かも、聞きながらそう心の奥で思ったことは内緒(笑)。
ぱっと見、本当に普通の女性なので、そんな凄いクライマーには思われないでしょうね、と言うと、やおら腕をまくって力こぶを見せてくれました。
おお~すげぇ。
「電車のつり革とか握る時、ちょっと恥ずかしいです」との返事。
そして、両手を合わせてくれると、指が真っ直ぐにつかない。
「気がつけば、こうなってしまいました」。
そういえば何年かに一度、世界中の有名なビルに登っちゃ逮捕されるフランス人がいましたな。
やはり、そういう有名な建造物とかを見ると、つい登りたくなっちゃうものなんでしょうか。
「ええ、建造物だけじゃなく、神社仏閣の大きな庭石とか・・・気になるものは見ながらすぐに、どうアプローチしようかと考えてしまいます(笑)」
ちなみに一番登りたいと思ったのは、バルセロナにあるサクラダファミリアだそう。
世の中をそんな視点から見る人達がいるとは!
Van Halen -JUMP
David Lee Roth- Just Like Paradise