谷垣健治氏&船木壱輝氏トークショウ

先日、新宿武蔵野館にて行われたドニー・イェン主演「レジェンド・オブ・フィスト/怒りの鉄拳」谷垣健治氏&船木壱輝氏トークショウを見てきました。

今回はもちろんトークショウも期待していましたが、配給した大阪のツインの吉鶴社長にお目にかかるのを、すごく楽しみにしていました。
と、いうか誰かに思いっきり功夫映画のことを喋ってみたかった、という邪心もなかったとは言えない(笑)。

思い切って吉鶴さんに「この作品、なんで広東語じゃなかったんすか?」と尋ねてみたところ、「むこうの配給会社の指定してきたフイルムがそうだったんです」というお答え。そういう事情もあるんですねぇ。

同時に、配給協力をした太秦の小林社長や取締役の植草さんにもお目にかかれたうえ、なんと幸運なことに谷垣健治さんにもご紹介していただき、直接色々お話することができました。非常に感激です。
↓一緒に撮ってもらった写真。興奮を隠しきれないめちゃ怪しい自分。

さて、トークショウの内容ですが、すでにニュースになっているので、ここではそこからこぼれたお話。

山崎中尉を演じた船木さんには最初アクションシーンが予定されていて、虹口道場で陳真と戦うつもりで訓練していたそうです。
が、例によって香港映画ですから、シナリオは急遽変更になり結局そのシーンは没に。
ご本人は何もおっしゃいませんでしたが、内心かなりガックリきたのではないでしょうか。山崎中尉とのアクションも見たかったですね~。

谷垣さんいわく、とにかくこの精武門映画化はドニーさんにとって長年の希望だったらしく、99年に一度企画がありながらも流れたりして今回はやっと巡って来た機会だったそうです。
決まっているのは、精武門道場で死んだと思われていた陳真は生きていた、それだけ。
そこで脚本をどうするか、ずっとそんなミーティングばかりしていたそうな。

おおまかな案はふたつ。伝統的な功夫映画を踏襲するか、それともまったく違うモダンなものにするか。
どちらを選択したかはご存知ですよね。

とにかくハリウッドで「グリーン・ホーネット」を制作していたのは分っていたので「向こうの公開前にカトーやっちゃえ!」というのは思っていたようで(笑)。

企画の段階でドニーさんは「これはバットマンにする!」と宣言。
しかもあの妹を演じた周揚をキャットウーマンよろしくコスプレさせて、バイクのサイドカーに乗せ二人で暴れまくる気満々だったらしいですぜ(笑)。
そのつもりで彼女も事前に相当なアクション訓練を時間をかけて受けていたくらい。

「なのに脚本が二転三転するうちに、それもなくなり、結局あの役になっちゃいました」と谷垣さん。全然違うやんか!
見たかったなぁ、カトーとキャットウーマンのコンビ(笑)。

そして、最近噂に出ていた成龍と共演の新作ですが、どうやらこれは実現に近い感触?
12月から始めるから武打師編成しとけ命令が出たとか。うわ~楽しみです。

そんな谷垣さんは今「るろうに剣心」のアクション監督として撮影の真最中。
幕末のワンチャイ!をイメージしたというこの映画、「ハゲタカ」や「竜馬伝」で注目されNHKを退職したばかりの大友啓史監督作品。主演は佐藤健さん。来年の夏公開予定。こちらも、とっても楽しみでございます。

しかしそのるろうに剣心が果たして12月までにクランクアップするのか、本当に12月から成龍とのバディムービーとやらがインするのか、多分今の段階では誰ひとりとして知りようはないでしょう(笑)。
なにしろ、いつの間にかキャットウーマンが過酷な運命に翻弄される三つ編みヘアの妹に変更されちゃう世界だもの。

来年は8本撮ると口走ってしまったドニーさんだそうですが、その中にはとうとうドニー監督作品!!!も企画があるそうで。しかも3Dですってよ~、奥さん。

そのうえに、本当はトークショウで流したかったけれど、技術的なことで流せなかったという「レジェンド・オブ・フィスト」のドニーさん稽古風景もパソコンで見せて頂けて大変幸運でした。

撮影のために日本からジークンドーの専門家を呼んで稽古した時の数分の動画です。
拝見したのは、あのOPの戦場アクション用にナイフ2本を使った基本動作。
時々詠春拳の黐手(でいいんですよね、互いの腕が触れ合った状態で攻防があるあの感じ)に似たのがあって、「ジークンドーのルーツは詠春拳であった」と思わせるような動きもみられました。
今年はこのあと不幸なことが連続して起こっても仕方ないくらいの、このラッキーな出来事に、谷垣さんには感謝のしようもありません。

そういえば、パンフレットに「今作でドニーは突き蹴りを封印する」と書いてあったので「本当ですかね」と直接聞いてもみました。
すると「う~ん、あの頃は本当に腰が痛くて、そう思ったんじゃないですかね。でも、まぁ多分またどっかでやりますよ」とのお言葉。
よかったです、そのうちにまたあのパワフルな突き蹴りが戻ることを願いましょう。
谷垣さん、本当に色々ありがとうございました!

そして嬉しいニュースはまだ続きます。
たくさんの方とお話したなかで「武侠」も日本の会社が配給権を買ったみたいで、どうやら無事に日本公開されそうだという噂を聞きました。
おおお、あの映画をでかいスクリーンで日本語字幕を見られるんですね!めちゃくちゃ嬉しいっす。

とにかくその夜は吉鶴さんや小林さんや植草さんに遅くまでお付き合い頂き、思い切りドニーさんやジミーさんのこととか、(功夫じゃないけど)「山の郵便配達人」のエピソードや「新座頭市 破れ!唐人拳」のラストの話とか(勉強になりました!)、劉家良師父とか、劉家輝とか、リンチェイとか、様々な功夫的な話ができて本当にうれしかった!てか、銭嘉楽の名がそのまま通用する世界って素晴らしい(笑)。

喋っていて、まさかこの口から声に出すことなどないだろうと思っていた名前とか映画タイトルとか一杯ありすぎて、ずっとカミカミだったのが自分でも相当笑えました(笑)
みなさん、遅くまで、こんな酔っぱらいに付き合ってくださって、感謝でございます。
本当に本当に、めっちゃくちゃ楽しかった!

そうだ、新宿武蔵野館に展示してあるドニーさんの衣装ですが、あれは支配人さんのアイディアだったんですって。
「あれは最後の1着だったそうです、いや~言ってみるもんですね!」
素晴らしい!パチパチパチ。ブラボー!新宿武蔵野館!

精武風雲 陳真/(邦題)レジェンド・オブ・フィスト 怒りの鉄拳 香港BDにて鑑賞、のちに日本語字幕を試写室で―ドニー・イェン 甄子丹

Black&White

谷垣健治のアクションバカ万歳!(谷垣さんブログ)

 

カテゴリー: film, 甄子丹 タグ: , , , , , , パーマリンク