映画 嵐を呼ぶドラゴン(1974年・香港)


監督
張徹(チャン・チェ)

出演
陳観泰(チェン・クアンタイ)
傅聲(アレクサンダー・フー・シェン)

動作指導
劉家良(ラウ・カーリョン)
唐佳(トン・ガイ)

この間、劉家良監督の<少林虎鶴拳>でチェン・クアンタイ扮する洪熙官を観ましたが、クアンタイさん、また同じ役で登場。(と、いってもこちらのほうが制作は早い)

同じ役といっても、クンフー映画やドラマでは、洪熙官が登場する物語はとても多いので、続編でもない限り同じ洪熙官を同じ俳優が演じても、それは違う話になるのがお約束みたい。
そもそも実在の人物でもお話はほとんどフィクションのようだし。今作はチャン・チェ監督。

その洪熙官の弟弟子、方正玉にはアレクサンダー・フー・シェン。これまた映画によく登場する英雄のひとり。
この洪熙官と方正玉、ふたりともお馴染みの黄飛鴻と同じくらい中国では(おもにクンフー映画で)超有名キャラというわけです。

ちょっと余談になりますが、私が初めて洪熙官を観たのは、溺愛する武打星、甄子丹(ドニー・イェン)が主役のTVドラマ<洪熙官>のダイジェスト版DVD。

これをその後、中国のTV局が公開しているネット動画で全話観ることが出来たのですが、そのドラマのなかで方正玉を演じたのは張家輝(ニック・チョン)。

そう、2009年の28回香港電影金像奨で、それぞれドニー・イェン<葉問>とニック・チョン<証人>で主演男優賞を争ったふたりが(結果はニック・チョンが受賞)この時の洪熙官と方正玉。
まさか、のちに彼らが主演男優賞で争うことになろうとは、当時は誰も想像だにしなかっただろう若さあふるる(笑)演技で、とにかく初々しかったわ。

とまぁ、そんな具合に、この洪熙官と方正玉はセットで登場することも結構あるキャラクターのようです。

ものがたりは、いきなり少林寺焼き打ちから。
炎のなかで闘うチェン・クアンタイ洪熙官。黒い衣装に辮髪の三編みを首に巻いてキレのいい動き。
この頃はまだワイヤーもコマ落としもないのでしょう、リアルスピードとその身体能力だけの動きは当然現代よりもずっと遅い。なのに見惚れてしまうのは何故でしょう。

やがて追手から逃れようとする洪熙官の逮捕を、本来味方であるはずなのに、その顔を知らない方正玉が敵に騙されて手伝ってしまいます。

この映画、なんといっても、途中から登場するこの方正玉役のアレクサンダー・フー・シェンが、めちゃくちゃ可愛い。
長袍(丈の長い中華服)を腰紐で結んだ純白の衣装と大きな扇子がとにかくお似合い。

なんじゃ~!この可愛さは~!(だからといって、いきなり画像検索とかしないでください。彼は動いてないとその可愛さは伝わらない特殊体質のようですので)
当然、当時の観客のみなさんはじめ、むろん、この私も萌え萌えです(笑)。

一方、クアンタイさんは相変わらず野性的で男くさく、性格もすかっとした役どころ。
自分のしでかしたことを死にたいくらい悔いる方正玉に寛容なところを見せて、その男らしさが動きや姿だけでないのを我々に知らしめるわけですよ。

この映画、アクションも大変よろしいのですが、正直言って、このふたりの姿形とキャラクターをひたすら愛でたおす、そういう仕上がりになってございます。

前回、今後「ショウブラザースの功夫作品を観てみたいけど、どれから始めていいか分らないの」という若い女性がいたら、迷わず少林虎鶴拳を勧めることにします、と締めました。

今回は、もし「ショウブラザースの功夫作品を観てみたいけど、どれから始めていいか分らないの」という腐女子がいたら(笑)迷わずこの嵐を呼ぶドラゴンを勧めることにいたします。

嵐を呼ぶドラゴン予告1
嵐を呼ぶドラゴン予告2

 

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