昨日、ドニーさんが微博に長文の声明文を出しました。
なんと彼の微博(中国版Twitter)のアカウントが乗っ取られて知らない間に、大陸の人気アクション俳優であるウー・ジン(呉京)くんを誹謗するコメントに対し、公式アカウントから「いいね!」をつけられRTされたそうです。
声明文には、
・悪意あるデマや報道が続くなか、今回の事に心から驚愕した。新浪微博の運営に問い合わせアカウントを乗っ取った何者かがいたことを確認。(その人物に対し)法的責任を問いたい。
・最近出回っている、「(殺破狼の製作時に)ウー・ジンを抑圧した」という噂や記事は捏造であり、事実ではない。アクション俳優として、中国アクション映画ブームを起こした『戦狼2』の成績に励まされたし、彼の努力が報われ大きな成果を上げたことに心から祝福したい。
・ファンと日々の生活のちょっとしたことを分かち合ってきた微博だが、2012年からネット上での攻撃は止まらない。
しかし、それに対し自分が個人的に弁明しマスコミのページを埋めるような資源の無駄遣いをする気はないし、つまらない商業ゲームに巻き込まれるつもりもない。しかし(ここまで)悪どい挑発や誹謗中傷はいわれのない人を傷つけることになるので、今回はやむにやまれず発言した次第である。
だ、そうです。
すぐさま、新浪微博の運営からコメントが発表され
調査の結果、それを書きこんだIPは江蘇省南京市のものであること。その時ドニー・イェン氏は撮影の為に香港にいたため本人ではない、こちらとしても真相を究明し彼が法的手段に訴えることを支持する、と表明しました。
※今日、その微博運営へ再びコメントしたドニーさん、運営の公表に感謝を示しハッカーには「許さん!」と怒り心頭っす。
ウー・ジンくんが監督主演した映画『戦狼2』はこの夏大陸でメガトン級の大ヒットを記録し、チャウ・シンチーの『人魚姫』を超える中国歴代興行収入の第1位を更新し、今なお絶賛公開中です。
しかも、ハリウッド映画以外でのランクインは世界初となる世界の映画歴代興行収入ランキング上位100位入り。このニュースは世界中を駆け巡りました。日本でもNHKが報道したのでご覧になった人も多いはず。なにがすごいって、中国アクション映画でこの快挙ですよ!
長年頑張って来た彼がこういう形で報われたのは喜ばしい限りです。アクション監督に『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』のサム・ハーグレーヴと、そのスタッフを招聘した効果を充分に発揮できたということですもん(中華圏側はジャック・ウォン/黃偉亮)。どんなことになってるのか、すっごく楽しみ。
正直、国民的ヒーローとなったウー・ジンくんにかこつけて、なんでまたわざわざドニーさんのアンチ活動を、誰が何の目的で活発化させるのかよく分りません。
殺破狼に関する噂は随分昔中国の2ちゃんみたいな掲示板で見たことがあります。それが拡散され公然の事のように語られ始めたのは2012年以降です。
その内容は
・殺破狼の時、圧力をかけて主役のはずだった彼を台詞のない悪役にした。
・彼の事を武術チャンピオンごときがなんぼのもんじゃと言った。
・アメリカの特典映像についているメイキングを観れば、アクション撮影中本気で警棒で叩き痛がってるのに謝りもせず笑っている。
・それらを彼はずっと根に持っている。
メイキングに関しては、私はその特典付きのソフトを持ってるのでお前ら全部見たのかと問いたくなる言い分ですが、この話を喜ぶ人にとって真実かそうじゃないのかはもはや関係ないんでしょう。ドニーさんを嫌いな人はそれを本当だと信じた方が面白いのでしょうし、ウー・ジンファンを装ってまで叩いてる人も相当数いそうです。
でも、その裏取りもしていない噂話をさも本当かのように記事にするマスコミは非常に悪質です。日本でもネットの噂や分るようにわざと大げさにした嘘冗談コメントを、裏も取らずそのまま記事にしたり番組で扱ったりして問題になるケースは後を絶ちません。
最近の中華圏は、マスコミの記事なのか個人の書いた「まとめブログ」なんだか一見では分らないようなフォーマットが増え、何度も同じ文章で繰り返し新しい記事としてアップされるためその辺りも混乱に拍車をかけているように思えます。
これに限らず似たような問題は、世界中のネットに溢れています。人は自分の都合のいい聞きたい言葉しか目に耳に入らないようになっている、それは確かです。すぐに判断しない、他の角度の情報も見てみる、様々な局面で肝に銘じなければと、その意をまた強くしました。
ウー・ジンくんの戦狼2のヒットがどのくらいすごいことかの記事
「戦狼2」が「美人魚」を抜いて中国の歴代興行収入記録トップに
アジア映画で初の快挙!爆発的ヒット「戦狼2」が世界歴代映画興行収入のトップ100入り―中国
驚異的ヒットを出したらさっそく、彼はこんな訳のわからん疑惑を捏造されたようで。お気の毒だ・・・。
実は中国国籍じゃなかった?メガヒット愛国映画「戦狼2」のウー・ジンに驚きの疑惑浮上―中国
と、いうか、こんなことで戦狼2を紹介することになったのは本当に悲しい。
2人の関係に関する噂や報道が出まかせではという記事(直後にハッキングすよヤレヤレ)
爆発的ヒットを生んだウー・ジン、ドニー・イェンをディスった!?報復コメントに疑惑が浮上―香港
※戦狼2のヒットに関する記事は、たくさんの日本の新聞サイトやニュースサイトでも取りあげられていますが、時間が経てば削除されてしまうので、長時間残り易い人民網日本語版とRecord chinaを選択しました。内容はほぼ同じです。