ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!(HOT FUZZ 英仏、2007年)

巷で言われるようにアメリカアクション映画へのオマージュたっぷりですが、英国コメディ映画の持つ独特のテイストは、自分にとってモンティパイソンが原点。スケッチ「グレバッパ族」とか記憶にしっかり刻まれてる。すまんね、こんな懐古趣味な始まりで。ネタバレ

冒頭のニコラス・エンジェルの説明からニヤニヤして、左遷が決まり同僚のにこやかな笑顔でこれは当たりかも!とワクワクしました。

なんといってもティモシー・ダルトンがいい。あの笑顔、あのスーツ、さびれたスーパーマーケットのオーナーというキャラに、しかも日本語吹き替えが土師孝也。最高でした。

正直、芝居の翌朝まではすこーし中だるみを感じちゃったりもしたのですが、イギリス映画だからキニシナイ。道路の真ん中に男女の首が置いてあるのを見て期待値は一気に上昇。その期待を裏切ることなく、あとはラストまで楽しかった。

当然ながら、音楽がめちゃんこよくてねぇ。 Adam Ant かよ! しかも Goody Two ShoesXTC もあるよ~。ニューウェイヴとかいうとりましたな。あとコージー・パウエルとか渋すぎんじゃ・・・。『ショーン・オブ・ザ・デッド』や『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』もそうでしたが選曲がよすぎ。

脚本の妙としてはニコラスが懸命に推理した動機より、真の動機「公共の利益」のバカバカしさ。この監視委員会の存在はイギリスらしくて、そのうえクライマックスの市街銃撃戦がお約束の興奮度で大満足です。

モンティパイソン好きな人や、普段穏やかなバーサマがいきなりショットガンで襲ってくるとか、自転車に乗ったメガネの冴えないおばさんが二丁拳銃で撃ってくるとか、そういうシュールな絵面が好きな人には、たまらん展開。

スタントコーディネーターは、Paul Herbert(ポール・ハーバート)。ヲタクとして知られるエドガー・ライト監督ですが、彼の作品ではアクションも重要な要素のひとつ。アクションスタッフを調べてみたらイギリス映画ではイギリス人コーディネーター、合作だとまた別の人と使い分けている印象。

この辺はへーと思ったこともあるので、改めて『スコット・ピルグリム VS 邪悪な元カレ軍団』とか『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』を観直して書いてみてもいいかなと思いました。

さて、このポール・ハーバートさんですが、1995年に業界入り、『タイタニック』でスタントマンをしたそうです。『ジョニー・イングリッシュ 気休めの報酬』ではスタントドライバーも。

その後スタントダブルを経て、コーディネーターとしてのおもな作品には、ベン・ウィートリー監督のヒャッハーアクション『ドゥームズデイ』、団地SF『アタック・ザ・ブロック』、古装もするよ『ロード・オブ・クエスト ドラゴンとユニコーンの剣』、マーク・ストロングとコリン・ファース『モネ・ゲーム』、『スプリット』のアニャ・テイラー=ジョイちゃん主演『モーガン プロトタイプ L-9』や、サシャ・バロン・コーエンとマーク・ストロングの兄弟スパイコメディ『The Brothers Grimsby(原題)』、今度のブラピのNetflixオリジナル作品『ウォー・マシーン:戦争は話術だ!』も担当。

予算もアクションスケールも大きくなり近作はセカンドユニットディレクターも任されてるよう。まだアクションバリバリの映画に特化した存在という域に到達はしてないのかもしれませんが、名前を知ったのも何かの縁、今後の活躍を楽しみにします。

さて、いきなりモンティパイソンに話を戻して恐縮ですが、フライングサーカスのスケッチに「グレバッパ族」ってのがありました。好きだったなぁ。あと、サム・ペキンパー風スケッチの「サラダの日」。これが自分にとってはゴア描写との邂逅だったのだなぁと今気がついたでござるよ。今作で花屋の女性がハサミで胸を突かれる描写が、演技や血の吹き出し方がまんま「サラダの日」だったので笑った。

エドガー・ライト監督の新作『ベイビー・ドライバー』も楽しみだ!

Hot Fuzz Official Trailer #1 – (2007) HD
映画『ホット・ファズ -俺たちスーパーポリスメン!-』予告編

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