勝新太郎、映画『座頭市』シリーズ(1962-1989年)

このクッソ暑い中、なぜか雷に打たれたように始まった勝新太郎座頭市祭り。とりあえず映画シリーズの26本を製作順に観てみたら、これが滅法面白くてねぇ。すっかり勝新ラブですわ。功夫バカは必須科目っすよ!

本当はもう何年も前からジミーさんとの『新座頭市 破れ!唐人剣』を観よう観ようと思っていたのだけど、なんとなくそのままになっておりました。

ジミーさんと勝新だよ、アジアのスーパースター同士だし、きっとこれ1本だけでは座頭市を観たとはいえないんだろうなぁと考えて、とりあえず第1作目からボチボチ取りかかるかと始めたら、めっっっっちゃ面白くて、めでたく先日1989年版座頭市まで完走。

26本もあると、デキに濃淡はあるにせよ、驚いたのは最後まで熱量と品質が一定以上保たれ続けたこと。しかも主役は座頭市、ただひとり。このクオリティを維持したまま20本以上も作られた映画シリーズって他にあるのかな。それだけで信じられない気持で一杯です。

勝新さんのことについては、彼の人となり映画人としての才能、座頭市に辿りつくまでの変遷などはたくさんの本やインタビュー記事ブログなどがあるのでそれらを読んでいただくとして、座頭市しか観てない私が感じたところでは、勝新太郎というお人が、スーパースター、俳優の前に映画人だったのだということを再認識したのと、同時に音楽家(19歳ですでに長唄と三味線の師匠であった)だったという点が大きかったのかと。監督としての才能もさることながら、座頭市を支えたあの殺陣の核は彼が優れた音楽家であったということも影響している気がします。アクションはリズムと緩急と間、そして芝居だけじゃない、あの独特の殺陣はスタントマンや俳優とのセッションだ!

26本もある座頭市シリーズですが、それは映画だけのこと。実は映画シリーズがひと段落した1976年からフジテレビで『座頭市物語』続けて『新・座頭市』として合計4シーズン、全100話のテレビドラマもあります。さすがにTVシリーズは現時点では評判のいいものを十数話しか観ておりませんけど、ゲストも豪華だし、製作は勝プロで、映画と同じ監督や(もちろん勝新太郎監督作もあり)スタッフも参加しており、テレビだからと極端にクオリティが落ちているとは思えませんでした。

そこで、ここでは気に入った映画シリーズの中から数本をレビューしてみようと。
まずは、私の好きな勝新座頭市映画TOP8をば(1位以外順不同)。

ブッチ切りで一番好きなのは、
・12作目・『座頭市地獄旅』(1965年)監督:三隅研次
あとは甲乙つけがたいので、製作順に
・1作目・『座頭市物語』(1962年)監督:三隅研次
・4作目・『座頭市兇状旅』(1963年)監督:田中徳三
・8作目・『座頭市血笑旅』(1964年)監督:三隅研次
・15作目・『座頭市鉄火旅』(1967年)監督:安田公義
・17作目・『座頭市血煙り街道』(1967年)監督:三隅研次
・21作目・『座頭市あばれ火祭り』(1970年)監督:三隅研次
・24作目・『新座頭市物語 折れた杖』(1972年)監督:勝新太郎

書き出して気がつきましたが、ほとんど三隅研次監督やん(汗)。

うーむ、分り易いというかなんというか。そういえば過去、市川雷蔵にハマってかなり根を詰めて観まくったいわゆるプログラムピクチャーとしての大映チャンバラ映画も三隅研次監督作が印象に残ったような。素人にもわかりやすい面白さ、なのか、職人としてすごいのか。

その辺りのことはまだ分りませんが、とりあえず私が三隅研次を好きな事はわかった。今はまだチャンバラものしか観てないんだけど、三隅監督といえば女性映画も多く手掛けており、非常に評価の高い作品もあるのでいずれ機会があれば観てみたいと思っております。

では、ボチボチと、このTOP8をレビューして参りましょう。8作全部出来るかな?

とりあえず
座頭市地獄旅(1965年・日本)前編
座頭市地獄旅(1965年・日本)後編

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